2016年は、マツダCX-5やトヨタC-HRなどの新型SUVが注目を集める一方で、燃費計測不正問題によって軽自動車の販売が落ち込んだ。自動車業界は明るい話題ばかりではなかったが、2016年末にエコカー減税も見直しが閣議決定するなど、2017年は税制面の変更もある。自動車業界はどう変わるのだろうか。

 

エコカー減税対象車を9割超から8割弱へ

12月24日に閣議決定された「平成29年度(2017年度)税制改正大綱」によると、自動車取得税が平成29年(2017年)3月31日をもって廃止され、「自動車税及び軽自動車税における環境性能割(仮称)」を創設するとしている。

  

お役所の文章だけにかなり分かりにくいが、現在の「エコカー減税」を含めた自動車取得税と実質的には変わっていない。エコカー減税は2年間延長されるが、現在の「平成27年度燃費基準プラス5%」の対象車は、2017年度(平成29年度)以降は減税されなくなるなど、対象車を絞るなど厳しくなる。

  

エコカー減税は存続されるものの、2017年度と2018年度の2回で段階的に対象を絞り込み、現時点(2017年1月)では新車の約9割が受けられているエコカー減税が1年目に約8割強へ、2年目には約8割弱まで減らす。

  

減税率の割合は、燃費基準により異なるが、免税から減税に引き下げられる車種やエコカー減税対象からはずれるモデルも増えることから駆け込み需要があるかもしれない。

  

 JC08モードからWLTPという燃費モードに

制度面の変更はまだある。カタログに掲載されている現在のJC08モード燃費から、さらに実際の走行に即したWLTP(Worldwideharmonized Lightvehicles Test Procedure)に変更。

  

近年では、10・15モード燃費からJC08モード燃費に変わっても実際の燃費(実燃費)に遠いという声に応えるもので、WLTPの計測方向はここでは割愛するが、より実燃費に近づくことは間違いなさそうだ。

  

さらに、高速道路(新東名と東北自動車道の一部区間)で最高速を110km/h(将来的には120km/h)まで試験的に引き上げるだけでなく、将来は120km/hまで上がる可能性がある。

  

2017年はどんなエコカーが出てくるか?

さて、エコカー減税の額が縮小したからといって仕方ないと、メーカーも手をこまねいているワケにはいかない。電動化車両(ピュアEV、燃料電池車FCV)などの登場も待たれるところだが、既存のガソリン、ディーゼルエンジン車はまだ燃費向上の余地があるから内燃機関の進化が地道に進むはず。実際にトヨタも新たなパワートレーン戦略を発表している。

  

2017年はトヨタもEV開発に注力するが、即市販モデルとして登場するとは考えにくい。車載バッテリー(リチウムイオン)の性能がこれから3〜5年単位で大きく進化するというメーカーの見方が多く、それまではEVの販売の大幅増はなさそう。航続可能距離の向上と車両価格を普及ハイブリッド並みに下げないと「普及」というにはほど遠い状況だ。

  

2017年の売れ筋モデルは?

では、具体的にどんなモデルが売れ筋になるのだろうか。まず注目はプリウスPHVの成否が鍵を握りそう。充電できるハイブリッドであるPHEVは、ガソリンを入れれば走行を続けられるのでピュアEV(バッテリーEV)のように電欠の心配がない。さらに、急速充電に対応するため各地で増えつつある充電スポットでプリウスPHEVの姿を見ることになりそう。

  

プリウス
新型プリウスPHVの発売は「今冬」とホームページでもすでに前からアナウンスされている。いずれにしても2017年3月までには登場するということだ

 

ほかにも、新型日産ジュークや三菱からRVRの後継モデルなどが登場しそうで、トヨタC-HRやマツダ・CX-5なども含めてSUVの人気は続くだろう。また、2016年は不調に終わった軽自動車もどこまで回復するか注目。スズキ・ワゴンRやホンダN-BOXなどのフルモデルチェンジが噂どおり実施されれば、各社のエースといえるモデルだけに市場の活性化につながることは確実だ。

  

マツダ
新型マツダCX-5は2017年2月の発売予定としている。マツダの「スカイアクティブ」搭載車が初めて受けるフルモデルチェンジになる

  

技術面では、部分自動運転技術や衝突被害軽減ブレーキの進化も期待されるが、市販化されるには一朝一夕では進まない分野でもあるため、現状の技術が幅広い車種に展開されるのではないだろうか。

  

燃費計測不正問題などで揺れた2016年は、自動車業界にとって明るい年とは言いがたかった。2017年は秋に東京モーターショーも開催されるからぜひ盛り返して欲しいところだ。



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