実は、良かれと思ってかけていた「ほめる言葉」が、子どもを「できたか・できないか」という結果至上主義に追い込み、自信を奪う原因になっていることがあります。
本記事では、親子コミュニケーションアドバイザー・天野ひかりさんの書籍『思春期の子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から、子どものやる気と本当の自己肯定感を育む言葉かけのコツをNG・OK例とともに解説します。
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「どうせ、ぼくなんか……」という子ども、自己肯定感が低いの?
子どもが自分を卑下するような言い方をすると、親としては不安になりますね。幼い頃は、こう言いながら親を試している場合も多いので、「あなたなら、がんばればできるよ」と伝えればいいのですが、思春期では違うアプローチが必要です。
実は、こういう子どもは、ほめて育てられてきた子が多いのです。
「ほめて育ててきたのに、どうして自信がなくなるの?」と心配になりますよね。
それは、ほめることは、できたこと、つまり結果を評価することにつながってしまうからです。
そうすると、「できるか、できないか」という結果にこだわるようになります。
幼い頃はできることがたくさんあったのに、成長とともに難易度が上がり、できない自分に自信をなくしてしまっているのかもしれません。
これからは、できたという「結果」ではなく、努力する「プロセス」の大切さを理解できる会話をしてみましょう。
まずは、よくあるNG会話から見てみましょう。
できなかったことに注目していませんか?
つまり、60点分できなかったことに注目しています。
でも、正解した40点は、これまで努力したからできたのです。
それを認める言葉をかけるのが、プロセスを大切にするということです。
40点という結果は、ほめられない点数だけれど、努力したことに注目すると言葉かけが変わりますね。
特に自信を失っているときには、励ますという精神論より、努力を認める言葉が有効です。
OK会話を見てみましょう。
結果よりもプロセスに注目しよう
この繰り返しで子どもは、努力すればできるようになる、と努力をしはじめます。
実は、「ほめる言葉」は、結果を評価する言葉。
「認める言葉」は、努力のプロセスを見る言葉。
たとえ結果が伴わなかったとしても、努力を認めることはできます。
ほめられて育った子は、努力よりも結果を重視しがちなのです。
そのため、できたことをほめられてきた子どもは、努力によって結果が変わることを実感できていない場合があるのです。だから結果が出ないと、「自分はダメだ」と卑下しがちなのですね。結果を出せても出せなくても、がんばった点を認めていきましょう。
・スポーツなら、試合の勝ち負けより、がんばったところやよかった点はどこか
・お手伝いなら、うまくできなかったことより、やろうとした意欲
・ピアノなら、間違った箇所より、楽しく弾けた気持ち
努力した意味が実感できれば、これから努力するようになっていきます。
すると、「どうせ……やってもできない」という意識から、「やったらできるようになる」という自信を少しずつ持てるようになるでしょう。
社会に出れば、結果がすべて。だからこそ、成長期の今は、努力を認める言葉をかけたいものです。そんな応援ができるのは親だけなのです。
NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、フリーアナウンサー。
上智大学文学部卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げたNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、杉並区社会教育委員副議長、ティーチングコミュニケーション協会代表。
主な著書に、8万部を突破した『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー)、『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)など。



