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お金だけでは守れない「日々の安心感」
複数の調査では、経済的に恵まれた富裕層であってもある一定数が「今の人生に十分満足していない」と回答していることが報告されています。
お金があるからといって、全員が幸せなわけではないのです。
ギャラップ社とOECD。立場の異なる2つの調査機関が共通して示していることをまとめると、こうなります。
お金が増えると人生全体の評価は上がります。でも、日々の安心感や感情の安定は、お金だけでは守れないことがあります。幸福度を本当に左右しているのは、お金の額以上に、人間関係の質、心身の健康、自由な時間、そして自分でコントロールしているという感覚なのです。
高所得であっても不安が消えない人は、お金の力が足りないわけではありません。お金にはできない領域にまで、お金に役割を求めてしまっていることが原因なのかもしれません。
お金で解決できることと、満たせないこと
そのような場合、お金の役割を正しく切り分けることが解決の糸口となるケースがあります。お金で解決できることと、お金では満たせないことを、はっきり分けて考える必要があるということです。
例えば、生活の安定や安心、選択肢の広がり、未来への備えといった「土台」は、お金が支えてくれます。こうした基盤が整うことで、私たちは日々の不安から解放され、人生を前に進める余裕を持つことができます。
一方で、安心できる人間関係や、自分らしくいられる時間、意味ややりがいを感じる生き方といったものは、お金では直接作ることができません。
それにもかかわらず、私たちは不安を感じるたびに、「もっとお金があれば解決できるのではないか」と考えてしまいます。しかし実際には、お金で埋められない領域の不安まで、お金で解決しようとしていることが少なくありません。
だからこそ必要なのは、お金を増やすことではなく、お金の“使いどころ”を変えることです。不安を埋めるために使うお金には終わりがありませんが、安心を育てるために使うお金は、人生を確実に豊かにしていきます。
お金は、人生を満たす“答え”ではありません。しかし、人生を整える“土台”にはなります。その土台の上で何を大切にして生きるのか。その選択こそが、あなたの幸福を作っていくのです。
この書籍の執筆者:櫻井かすみ プロフィール
ファイナンシャル・ウェルビーイング研究者、ママ金融教育家、ファイナンシャルプランナー。株式会社トウシナビ代表。投資詐欺や貯金ゼロなどを経験した後、資産形成を実践。現在は大学院で「お金」とウェルビーイングについて研究している。著書に『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本』『母が子に伝えたい大切なお金と社会の話』(いずれもGakken)などがある。



