「やりたいことをやる」ポジティブマインドへの変化
クラス役員決めがなくなったことによる「意外な結果」を教えてくれたのは、I県の小学校のPTA副部長のサホさん(仮名)です。1つは、懇談会に出る人が減ったこと。先ほどのマリエさんは「出席率が上がった」と話していましたが、サホさんの学校では逆だったそう。
以前は「役員決めに出ないと後で大変なことになる」という不安から出席していた人も多かったのでしょうか。「学校の話を聞く方が大事では」と、サホさんは首をひねります。
もう1つ、任意加入を前提に入会届を配り始めたところ、「大ベテランの先生が入会しなかった」ことにも衝撃を受けたそう。その先生は一見、PTA活動に積極的だったそうですが、本当は何かしら活動内容に賛同しかねる部分もあったのでしょうか。「PTAを改革してよかったな、と感じたことの1つ」とサホさんは話します。
「アンケートを取ると『改革ありがとう』という声が出ますし、新年度のぎすぎすした雰囲気がなくなったとも思います。今の役員は『毎年やってたからという理由で続ける必要はないよね』という考えの人ばかり。『決められたことをするんじゃなくて、やりたいことをすればいい。自分たちで自分たちのことを決めていいんだ』っていう、ポジティブなマインドになっていますね」(サホさん)
自分のPTAを、自分たちの手で変えてもいい
いかがでしょうか。「こんな春だったらいいな」「こんなPTAだったらいいな」と思った方は、多いのではないでしょうか。今はまだ、クラス役員決めを続けているPTAもたくさんあるでしょうが、絶対に変えられないわけではありません。別のやり方もあるのです。
「体育館に軟禁される春」がないPTAは、誰かが変えたから実現したものです。その「誰か」になってみるのも、悪くないかもしれません。 この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。



