イラン攻撃の裏でくすぶる“致命的な火種”。トランプ氏の熱狂的支持層が離反する日

イランへ強気な姿勢を見せるトランプ大統領ですが、裏では「エプスタイン文書」公開により岩盤支持層(MAGA派)離反の火種がくすぶっています。揺らぐ支持基盤と2026年中間選挙から、ポスト・トランプのアメリカの行方を専門家が解説します。(画像:PIXTA)

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「リベラルvs保守」は終わる? ポスト・トランプで変わる“対立軸”

今、この先のアメリカの姿が、おぼろげながら見え始めています。

トランプ大統領のように、政治とエンタテインメントを見事に融合できるようなカリスマ的指導者は再び現れることはないかもしれません。

共和党は、「左派」の経済政策を大胆に吸収した「反リベラリズム」の保守政党に生まれ変わる可能性も皆無ではありません。そして一方の民主党は、まだ自分探しの旅を終えていません。

「リベラリズム」対「保守」という従来のイデオロギーの枠組みは組み換えが始まり、今後は新しく、「グローバリズム」対「地域主義」、あるいは「エリート支配」対「生活者主導」という対立軸も浮上してくるでしょう。

「ポスト・トランプ」のアメリカの政治構造は、様々な対立軸のもとでこれまでとは違った二大政党制に変遷する可能性も秘めているということです。

トランプ氏が「裸の王様」になる日。2026年中間選挙とアメリカの行方

2026年にはアメリカにとって重要な2つのイベントがあります。

1つは、7月4日の「アメリカ合衆国建国250周年」です。奇しくも、これまでの周年事業は共和党大統領のもとで行われてきました。

100周年は、U・S・グラント大統領(第18代)、150周年はJ・C・クーリッジ大統領(第30代)、200周年はニクソン大統領辞任の後を受け継いだG・R・フォード大統領(第38代)でした。そして、今回はトランプ大統領です。

もう1つは、11月の中間選挙です。第1期トランプ政権時の中間選挙では、下院の多数派を民主党に奪われています。

トランプ大統領が王様のように振舞っていても、やがて国民の目には「裸の王様」に映るようになるかもしれません。そうなれば、1期目と同じことが起こることも考えられます。

これからアメリカはどこに向かっていくのでしょうか。今のところまだ、はっきりとした姿を思い浮かべることはできません。

しかし、1つだけ明確なことがあります。

アメリカの統治構造には、国民がどう見るかで、意味合いが大きく変わる仕組みが組み込まれているということです。それが、大統領と連邦議会、そして連邦裁判所が、それぞれ持つ権限を互いにチェックする「三権分立」なのです。
日本人が知っておくべきアメリカのこと
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この書籍の執筆者:中林美恵子 プロフィール
政治学者。早稲田大学教授。公益財団法人東京財団理事長。埼玉県深谷市生まれ。大阪大学博士(国際公共政策)。ワシントン州立大学修士(政治学)。米国家公務員として連邦議会上院予算委員会に勤務(1993年-2002年)。約10年間、米国の財政・政治の中枢で予算編成の実務を担う。元衆議院議員(2009年-2012年)。著書に『日本人が知っておくべきアメリカのこと』(辰巳出版)など。
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