同級生から「死ぬ印」と暴言…小3息子のいじめに佐々木正美さんが「相手を罰しない」ことを勧める理由

わが子がいじめに遭ったとき、親はどう動くべきか? 児童精神科医の佐々木正美さんは「相手をしかる」のではなく「いじめっ子に愛情を注ぐ」という驚きの解決策を提示します。いじめの連鎖を根本から断ち切るための親の行動を解説します。(画像出典:PIXTA)

※本記事で紹介している商品の購入やサービスの利用により、売上の一部がオールアバウトに還元されることがあります。

親同士の関係づくりが、いじめ解決のヒントになる

家庭では、わが子の話を気のすむまで聞いてあげたいと思います。とはいえ、「今日、どうだった?」とストレートに聞くのは控えます。

学校から帰ってきたら、おやつを用意して、いっしょに食べながらおしゃべりをするのです。そのときに、子どものほうから学校でのことを話してきたら聞いてあげます。

「聞き出す」のではなく、子どもが本音を言える状況をつくるということです。言わなければ、無理に聞き出すことはしません。

子どもが自分から話すようになるためにも、このような問題が起こる前から、子どもが話しかけてきたときには少しだけでも手を止めて聞く、子どもの意見を頭ごなしに否定しない、という習慣をつけておくといいですね。

そして、わたしだったらAくんに「家に遊びにおいで」と声をかけると思います。彼と自分の子を連れて、休日に遊園地やサッカーの試合を見に行くこともすると思います。

もちろん、しかったりすることはしません。できるならAくんの親御さんもいっしょに行きたいと思います。親同士のいい人間関係をつくることが、遠回りでもわが子にとっていい効果をもたらすことになるからです。

親にできることは小さなことです。けれど、Aくん(と親)の精神が安定すれば、ゆっくりであっても事態は解決の方向に向かうと信じて、わたしなら動いていくでしょう。

これは理想論でしょうか。確かにここに書いたこと、すべてできるかどうかはわかりません。でも、できることから一歩ずつ進めていきたいと、わたしは思うのです。

この子はこの子のままでいいと思える本
この子はこの子のままでいいと思える本
最初から読む

佐々木正美 プロフィール
1935年、群馬県前橋市生まれ。1966年、新潟大学医学部卒業後、東京大学で精神医学を学び、ブリティッシュ・コロンビア大学に留学して児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後は国立秩父学園や横浜市の療育施設などで児童臨床医として活動し、自閉症の子どもと家族を支える療育の実践と普及に尽力。川崎医療福祉大学教授などを歴任。『この子はこの子のままでいいと思える本』(主婦の友社)、『子どもへのまなざし』シリーズ(福音館書店)など著書多数。2017年6月逝去。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    南海電鉄の新・観光列車「GRAN 天空」は“高野線の救世主”となれるか。100年ぶりサービス復活の勝算

  • ヒナタカの雑食系映画論

    フランス製アニメ映画『ARCO/アルコ』の「逆ラピュタ」な魅力。注目してほしい「持続可能」な世界とは

  • どうする学校?どうなの保護者?

    会費0円、会員3名でもPTAは回る。理想を形にした「架空の小学校」という驚きの手法

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策