【前回の記事「新曲『Crown』から見えてきたEXOの“プライド”と“思い”」(#55)はこちら】
財産の一部を仮押さえ……
編集担当・矢野(以下、矢野):#56からは別のアーティストについてトークする予定でしたが、まさかのEXO延長戦です。2026年2月10日に韓国のメディアが「SMエンターテインメント(以下、SM)がチェンさん、ベクヒョンさん、シウミンさんの財産の一部を仮押さえした」と報道し始めました。これって、かなり強硬手段ですよね。大丈夫なのかな……。
ゆりこ:チェンさん、ベクヒョンさん、シウミンさんをユニット名の「CBX」と呼ばせていただきますが、CBXは2023年からSMと契約履行請求訴訟、精算金請求訴訟で争っています。その話は以前しましたね。その後、現状ではSM側が勝訴し続けています。SM外でソロ活動を行う際の条件「売上の10%をロイヤリティーとして支払う」という内容に、CBXは従わざるを得なくなりました。
矢野:なるほど。そのロイヤリティーの支払いがまだないので、資産を仮押さえしたということですね。3人合わせて日本円で約2億7000万円相当という大金。しかも中身が3人の住む家だったりしてなかなか厳しいですね。
ゆりこ:今すぐ家から追い出す、というような非人道的なことは起こらないそうですが、勝手に売却や担保にすることができなくなるようです。でも裁判所がSMからの申し立てを受理したということは、もう支払うしかない。
矢野:一方でCBXも今、手を組んでいる会社からちゃんとお金をもらえていないのでは? という別問題も浮上していますよね。
ゆりこ:そうなのです。韓国のメディアはONE HUNDRED(以下、ワン・ハンドレッド)傘下のレーベルに所属するアーティストへの精算金が、総額で50億ウォン(約5億2000万円)規模で未払いになっていると報じました。もちろんCBXもその中に含まれています。会社的には「調整中」と主張しているそうなのですが、「報道は誤りです、全額支払っています」と断言できないということは、そういうことなのだろうと見てしまいます。
矢野:そうなるとCBXとしてはSMへロイヤリティーを支払いたくても支払えない状況があるかもしれない、ということでしょうか。真実は当人たちにしか分かりませんが……。
ゆりこ:何かしらの事情を抱えている可能性はあります。ワン・ハンドレッドの現トップや創業メンバーは他にも多くのトラブルや訴訟を抱えています。一部報道だけをうのみにするのも危険ですが、冷静に考えてもCBXの3人は手を組む相手を間違ったのかなと思ってしまいます。個人的な感想です。
矢野さん:そういえば最近、同じくワン・ハンドレッド傘下のBig Planet Madeエンターテインメントに所属していたSHINeeのテミンさんが専属契約を終了しましたよね。SMから移籍してわずか約2年というスピードには驚きました。
ゆりこ:韓国の報道によると、テミンさんがスタッフの給料を代わりに払っていたのでは? という話もあります。それが事実なら、ありえない事態ですよね。CBXも似たような危機に瀕している可能性があります。
正念場を乗り越え、EXOブランドを更新した『Crown』での成功
矢野:ただ、視点を変えると、こんなにトラブル続きでメンバー構成も不安定なのに14年続いているEXOのブランド力ってすごいなとも思うんです。ゆりこ:確かに今回のカムバックも「皇帝の帰還」と報道されていました。ただ、デビュー時から追っている身であり、他グループも好きな雑食ファン視点で冷静に考えて「今が彼らの正念場だ」とも感じたんです。新曲で1位を獲ったり、何かしらインパクトや爪痕を残したりしないと“過去のレジェンド”になってしまう可能性も否定できないなと思っていました。だからこそ『Crown』での1位、グランドスラム(韓国の主要音楽番組すべてで1位を獲得すること)は本当に意味がある。きっと私と同じように感じている人、いるんじゃないかな。
矢野:2023年の「初雪チャレンジ」、そして2025年末のミュージックアワードのステージも話題になっていましたよね。徐々に王座へ戻るための下地を整えていたのかもしれません。
ゆりこ:昨年末の「2025 MelOn Music Awards」ですよね。会場にいた、おそらく他グループを見に来たであろう若いお客さん、そして後輩グループまでも興奮の渦に巻き込んでいました。出演したメンバーは5人だったのですが、それでもあの盛り上がり。確かにあの時から王座へのレッドカーペット……敷かれていたのかもしれない(笑)。



