「国会議員になっても母にビンタされた」高市早苗を支えた“真っ赤なバラ”の教えと、意外なロック愛

母からの厳しい𠮟責、父の教え、ハードロックへの傾倒——。高市早苗はいかにして「自分のスタイル」を貫く人物になったのか。家庭で刻まれた価値観と、女性政治家としての原点を紹介する。(画像出典:首相官邸ホームページ)

ストレス発散はハード・ロック

子どものころの高市は書道の先生になりたかった。字をうまく書くと、書道の先生が朱色の墨で〇をつけてくれるのが嬉しかったのだ。

書道教室にも通った。小学生時代は熱心に取り組んで、優秀作として奈良の橿原神宮で張り出されたこともある。

「私、才能があるのかもしれない」

そう思った時期もあった。しかし、冷静な目で見直すと、それほどでもない。

「こんなひどい字で、橿原神宮によく出してもらえたね」

母親にはそう言われた。

それでも書道教室で二段をもらった。高市は二段に認定された書を宝物のように自宅に持ち帰ったが、母親はクールに言った。

「こんなものは大人の世界では通用しません」

書の道は断念した。

政治家になると、色紙に揮毫(きごう)を頼まれることが多い。しかし、今でも苦手意識は払拭されていない。同僚議員から地元の支持者向けにひと言書いてほしいと頼まれると気が重い。

色紙を数日間じっと見つめて、ようやく決心して筆をとる。

ソロバン塾にも通ったが、なじめなかった。二級で挫折した。ソロバンをひっくり返して上に乗り、ローラースケートのようにして遊んでいたら壊れてやめた。

幼稚園のときにヤマハ音楽教室に通った。それをきっかけに小学生のときにピアノを買ってもらい、隣りに住んでいた音大生から習った。

この音大のお姉さんとの出会いでハード・ロックを好きになる。お姉さんはレコード会社でアルバイトをしていて、たくさんのレコードを貰ってきた。お姉さんはクラシックファン。ロックのレコードは全部、高市がもらった。

当時、『ミュージック・ライフ』という外国人ミュージシャンを特集する雑誌をお姉さんが買っていて、読み終わるとくれた。高市はロックに夢中になった。

好きなバンドは、ディープ・パープルやアイアン・メイデン。ロックの楽曲を耳で聴いて、譜面に起こし、ピアノで弾ひいた。
高市早苗 愛国とロック
高市早苗 愛国とロック
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この記事の執筆者:大下 英治 プロフィール
1944年、広島県生まれ。1968年、広島大学文学部卒。『週刊文春』記者を経て、作家として政界財界から芸能、犯罪まで幅広いジャンルで活動。著書に『十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊』(新潮文庫)、『実録 田中角栄と鉄の軍団』シリーズ(講談社+α文庫)、『昭和闇の支配者列伝』シリーズ(朝日文庫)など500冊以上にのぼる。近著に『ハマの帝王―横浜をつくった男 藤木幸夫』(さくら舎)、『安倍晋三・昭恵 35年の春夏秋冬』(飛鳥新社)などがある。
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【動画あり】日韓両首脳がドラムでセッション! 高市首相がドラム演奏を披露した衝撃の瞬間
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