なぜ「タダ同然の公立高」を捨てるのか? 無償化でも私立回帰…2026年入試、親子のシビアな決断

2026年度高校入試の最新動向を分析。高校無償化の影響で進む「公立離れ」と「私立・付属校人気」の実態とは? 都立上位校や埼玉県公立高校の志願者減の背景に加え、安易な私立単願や指定校推薦狙いに潜むリスクも解説します。(画像出典:PIXTA)

「都立復権」はなぜ起きなかった? 2026年度高校入試を分析(画像出典:PIXTA)
「都立復権」はなぜ起きなかった? 2026年度高校入試を分析(画像出典:PIXTA)

高校入試シーズンが本格化しますが、今年の入試動向はどうなっているのでしょうか。特に注目される「高校無償化」の影響はどのように出ているのでしょうか。

今回は、発表されたばかりの進路希望調査などのデータをもとに、2026年度入試を分析していきます。

都立高校志望者の減少と「私立回帰」

2025年度の高校入試では、東京都の授業料実質無償化(所得制限撤廃)の影響が大きく出ました。都立高校の志願者が約3000人減少し、その分、私立高校が志願者を増やしました。

これまで経済的な事情から都立を第一志望にしていた層が、私立へ進路を切り替えたためです。この流れを受け、私立高校、特に大学付属校の人気が高まっています。

背景には、大学入試への不安もあります。メディアやSNSなどで「大学受験は年内入試(総合型選抜等)が拡大し、一般選抜が難化する」といった情報が拡散され、過度な不安を感じた保護者や受験生が「大学受験を回避したい(付属校へ行きたい)」と考えるケースが増えています。

2026年度入試、東京・埼玉の動向

では、2026年度はどうなるのでしょうか。

栄光ゼミナールの高校入試責任者・松田裕太郎さんは「入試改革がある時はチャレンジングな受験をする受験生が現れ、安全志向が拡がる傾向があります」と述べていますが、今年の動向を見る限り、セオリー通りにはいっていないようです。

「高校無償化」といっても、東京都の助成は上限48万円程度です。私立の学費は年間100万円近くかかるケースも多く、数十万円の自己負担が発生します(授業料の他に施設費などもかかります)。本来であれば、経済負担の少ない都立人気が復活してもおかしくありません。

しかし、ふたを開けてみると都立高校の人気回復には至りませんでした。

都内の全日制高校志望予定率(進路希望調査)を見ると、都立高校は2025年度の66.97%から、2026年度は65.79%へと約1ポイント減少しています。自己負担額を理解した上でも、あえて私立高校を選ぶ受験生が増えているのです。

近年増加していた通信制高校への進学ではなく、全日制私立高校を選んでいる受験生が増えているのも特徴です。都立志願者の数は二極化していますが、例年ほど大きな差はありません。
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日比谷、西、国立……都立トップ校でも起きている「異変」とは?
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