高校入試シーズンが本格化しますが、今年の入試動向はどうなっているのでしょうか。特に注目される「高校無償化」の影響はどのように出ているのでしょうか。
今回は、発表されたばかりの進路希望調査などのデータをもとに、2026年度入試を分析していきます。
都立高校志望者の減少と「私立回帰」
2025年度の高校入試では、東京都の授業料実質無償化(所得制限撤廃)の影響が大きく出ました。都立高校の志願者が約3000人減少し、その分、私立高校が志願者を増やしました。これまで経済的な事情から都立を第一志望にしていた層が、私立へ進路を切り替えたためです。この流れを受け、私立高校、特に大学付属校の人気が高まっています。
背景には、大学入試への不安もあります。メディアやSNSなどで「大学受験は年内入試(総合型選抜等)が拡大し、一般選抜が難化する」といった情報が拡散され、過度な不安を感じた保護者や受験生が「大学受験を回避したい(付属校へ行きたい)」と考えるケースが増えています。
2026年度入試、東京・埼玉の動向
では、2026年度はどうなるのでしょうか。栄光ゼミナールの高校入試責任者・松田裕太郎さんは「入試改革がある時はチャレンジングな受験をする受験生が現れ、安全志向が拡がる傾向があります」と述べていますが、今年の動向を見る限り、セオリー通りにはいっていないようです。
「高校無償化」といっても、東京都の助成は上限48万円程度です。私立の学費は年間100万円近くかかるケースも多く、数十万円の自己負担が発生します(授業料の他に施設費などもかかります)。本来であれば、経済負担の少ない都立人気が復活してもおかしくありません。
しかし、ふたを開けてみると都立高校の人気回復には至りませんでした。
都内の全日制高校志望予定率(進路希望調査)を見ると、都立高校は2025年度の66.97%から、2026年度は65.79%へと約1ポイント減少しています。自己負担額を理解した上でも、あえて私立高校を選ぶ受験生が増えているのです。
近年増加していた通信制高校への進学ではなく、全日制私立高校を選んでいる受験生が増えているのも特徴です。都立志願者の数は二極化していますが、例年ほど大きな差はありません。



