「絶対に行かない学校」を受験する意味はある? 親を悩ませる“前受け”のコスパとリスク

前受け受験は本番慣れや合格による安心感、学力確認に役立つ一方、時間や費用、メンタル面の負担も伴います。子どもの性格や学力、家庭方針を踏まえ、メリットとリスクを整理し、納得できる選択をすることが大切です。(画像出典:PIXTA)

前受け受験はなぜ必要? 塾が勧める理由とは

塾が前受け受験を勧める理由には、「本番の入試に慣れる」「合格により安心感を高める」以外に、勉強不足な部分を浮彫りにする「模試としての役割」もあります。

受験シーズン前の最後の模試は12月で、それ以降はありません。1月に学力レベルを測るうえでも、前受け受験は有効な機会になります。

例として、首都圏の受験解禁日を見てみましょう。

【首都圏の受検解禁日】

埼玉県:1月10日(例年固定)
千葉県:1月20日(例年固定)
東京都(23区)・神奈川県:2月1日(例年固定)


入試が1月10日ごろに集中する埼玉県は、“前受け受験”の最前線です。特に有名なのは栄東中学校で、1万人以上の出願者が集まる“最後の模試”と呼ばれています。

栄東中学校の受験が多くの塾や教育関係者からの推奨され、受験者からも好評な理由は、科目ごとの順位と点数、そして問題ごとの正解・不正解を開示してくれるからです

学校側も前受け校として活用されていることを知っているため、詳しく入試結果を教えてくれます。単元ごとに自分の弱点を見つけられるため、本命受験に向けた最後の学習計画に反映できます。

栄東中学校のほか、開智中学校、大宮開成中学校も前受け受験者が多い学校です。出題される問題にクセがなく平均的な問題が多いため、幅広い学校の前受け校に適しているのも特徴です。

前受け受験を勧めるもう一つの理由に、時事問題の対策ができることも挙げられます。近年出題率が上昇し、「時事問題を出さない学校はない」といわれています。当然ながら今年の入試で問われる最新の時事問題を、過去問で解くことはできません。

入試では、直近のニュースに関する時事問題が取り上げられます。例えば、2026年入試であれば、「AIの台頭」や「高市政権」「クマ被害」といった話題が取り上げられるかもしれませんね。

時事問題は、複数の学校で似た問題が出る傾向にあります。つまり、前受け校で出題されたテーマが、本命校で出題される可能性は高いといえるでしょう。

塾が前受け受験を勧めるのは、多数のメリットがあるからです。そのうえで前受け受験をする・しないを決めるなら、メリットとデメリットを比較する必要があります。前受けの利点やリスクについて、改めて整理してみましょう。

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3万円は高いか安いか? 前受けを“しなかった家庭”が直面するリスク
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