“イケてる”CORTIS、“王道2.0”を提示したHearts2Hearts…2025年デビュー組に見る「K-POPの未来」

2025年も多くのK-POPグループがデビューしました。その中でも今、特に注目したい「CORTIS」と「Hearts2Hearts」の活躍から、“2025年以降のK-POP”をひも解きます。※写真:アフロ

Hearts2Heartsが切り開く、ガールズK-POPの「王道2.0」

ゆりこ:Hearts2Heartsです。私がSMオタクだから、と思われるかもしれませんが、実際のところ自分の中で“今年の新人賞”はずっとALLDAY PROJECTでした。10月に『FOCUS』を聞くまでは!

矢野:覚えています。今年上半期のK-POP振り返りをした時は、ALLDAY PROJECTをイチオシしていましたよね。Hearts2HeartsはKiiiKiiiと並列して語っていました。

ゆりこ:Hearts2Heartsは10月20日にリリースしたミニアルバム『FOCUS』が衝撃的でした。彼女たちの最初のターニングポイントになったと思います。この1枚で頭ひとつ抜けたと言えるのではないでしょうか。タイトル曲『FOCUS』では初めて韓国の音楽番組『THE SHOW』で1位になりました。いわゆる主要音楽番組(※)での1位獲得はまだですが、それも時間の問題だと思います。日本でも11月20日付けのオリコンデイリーアルバムランキングで1位を獲得。デビュー盤の『The Chase』よりも売り上げた、という点でも勢いを感じます。

※『M COUNTDOWN』『ミュージックバンク』『SBS人気歌謡』『ショー!K-POPの中心』
矢野:デビュー曲では注目されたけれど、その後があれ?というパターンもあります。彼女たちは上昇気流に乗れたっていうことですね。

ゆりこ:早くも次のフェーズに進み始めたのではないでしょうか。『FOCUS』は勝手に選ぶ“MY新人賞”を超えて、今年のK-POPベスト盤かもしれません。タイトル曲『FOCUS』はピアノのリフでグッと引き込まれるハウスベースのダンスミュージックなのですが、どこか懐かしさもあるんです。今の音楽トレンドに乗っているCORTISとは逆のアプローチと言いますか、「わが道をいく」感じなんですよね。振り付けにもヴォーギングの要素が入っていて個性的。そして2曲目にザ・ガールズポップな『Apple Pie』が来るんです。そして3曲目の『Pretty Please』は……誤解を恐れず言うと、王道ガールズK-POP。冒頭の『Girls!』という呼び掛けから始まるイントロを聞いただけで、やはり少女時代のDNAを受け継いでいるなと確信させる曲でした。
矢野:「わが道をいく」というのと「王道」って、相反するように思えるのですが……。少女時代の影響を感じるのであれば、どっちかというと後者の色が強いということでしょうか。僕もHearts2Hearts のライブ映像を見ていた時に、衣装が少女時代っぽいなと思いました。

ゆりこ:言葉足らずでごめんなさい。Hearts2Heartsは「新しい王道を作っていく存在」だと言いたかったのです。SMとしても初めて“少女時代の系譜を引き継ぐ”ガールズグループとして出してきていると思います。f(x)、Red Velvet、aespaは少女時代と完全に差別化、絶対に被らないコンセプトにしていましたから。Hearts2HeartsはSMTOWN LIVEや各種ステージで、折に触れて少女時代のカバーを披露しています。

矢野:少女時代とHearts2Heartsは世代も離れているので、ようやく満を持して……というところなのでしょう。その上で、今の時代に合った新しさも追求しているということですね。

ゆりこ:私の個人的な意見ですが、少女時代がガールズK-POPの“王道1.0”だとすると、Hearts2Heartsは“王道2.0”を作っていく存在になるはずです。

矢野:今回は僕がCORTIS、ゆりこさんがHearts2Heartsを熱く語る回となりました。2026年はどんなグループが出てくるのでしょうか? もう出ている情報やうわさはありますか?

ゆりこ:オーディション番組『BOYS II PLANET(ボイプラ2)』から誕生したALPHA DRIVE ONEが1月に正式デビューします。そしてジェジュンさんが代表を務めるiNKODEもボーイズグループを準備中で、『ボイプラ2』の出演者もメンバー候補に入っています。そしてYGがTREASUREから5年ぶりのボーイズグループを発表するのでは?と言われています。

矢野:2025年に盛り上がった『ボイプラ2』の出演者たちが、いよいよ来年本格始動するんですね。そして久しぶりにYG発のボーイズグループ!それは楽しみです。

ゆりこ:さらには意外なことに、来年もまたSMからのデビュー組が出てきそうなのです。

矢野:RIIZEにNCT WISH……最近のSM、デビューのスパンが短くないですか?

ゆりこ:そう思います。候補生は今年8月の「SMTOWN LIVE 2025 in TOKYO」でもステージに上がっていた子たちで、すでに次世代ボーイズグループプロジェクト「SMTR25」として公開されています。どんな構成になるのかは不明ですが、来年のお楽しみということで。

矢野:2026年は新人ボーイズグループが豊作の年になりそうですね。ガールズグループの方はどうでしょう?

ゆりこ:HYBE傘下のSOURCE MUSICとJYPがガールズグループを準備中だという話が上がっています。それぞれLE SSERAFIM、NMIXXの後輩ということになりますね。ただK-POP界における「予定は未定」ということで、答え合わせはまた来年! 正式発表の日まで待ちたいと思います。

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K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。

編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)
K-POP ゆりこ
この記事の執筆者: K-POP ゆりこ
音楽・エンタメライター。雑誌編集者を経た後、渡韓し1年半のソウル生活を送る。帰国後は、K-POPや韓国カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」として、雑誌やWebメディアなどでの執筆活動や、韓国エンタメ情報ラジオ番組『ぴあ presents K-Monday Spotlight』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど幅広く活躍中。 ...続きを読む
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