まるでドブに捨てる金…大学入試「捨て銭」の実態。入学金「二重払い」に苦しむ保護者の絶望と焦燥

大学受験の「保険」として避けられない併願受験。そこで保護者を悩ませるのが、「入学金の二重払い」問題です。頭では分かっていても割り切れない「捨て銭」の現状と、一部大学で始まった「返還」の動きについて取材しました。(画像出典:PIXTA)

画像はイメージ(画像出典:PIXTA)
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いよいよ本格的な受験シーズン突入です。受験生本人はもちろん、保護者にとっても気の重い日々が始まります。わが子の合否への心配もさることながら、もう1つ保護者を悩ませるのが「入学金の二重払い」という経済的な重圧です。

保護者を悩ませる「捨て銭」問題

第1志望校に合格し、そのまま入学できれば入学金は1校分で済みます。しかし、現実はそうはいきません。第1志望が不合格だった時の「保険」として、第2・第3志望校を受験するのが“常識”となっているからです。

ここで問題となるのが、「第2志望校(滑り止め)の入学金納入期限が、第1志望校の合格発表よりも早い」というケースが多いことです。

席を確保するためには、第2志望校に入学金を払って第1志望の結果を待つしかありません。もし第1志望に受かれば、先に払った第2志望校の入学金は戻ってこないのが今の受験界の“常識”です。

入学しない学校に払うお金は、保護者にとっていわば“捨て銭”であり、二重、あるいは三重払いになることもあります。「第1志望に落ちてくれた方が経済的には助かる」というよからぬ考えが頭をよぎるほど、保護者にとっては切実な問題なのです。

国からの「お願い」と大学の事情

こうした状況を受け、2025年6月、文部科学省(文科省)は大学側に対して「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について」という通知を出しました。

その中で、文科省は「入学しない学生の納付に入学料に係わる負担軽減のための方策を講ずるよう努めること」を求めています。

しかし、これはあくまで「お願い」であり、強制力のある命令ではありません。

仮に、要請に従わなければ国からの『私学助成金(私立大学等経常費補助金)』を減額するといった厳しい姿勢で臨めば、大学側も二重払い解消に向けた方策を講じざるを得ないはずです。

しかし、入学金は大学運営にとって重要な資金源です。これを返還することは収入減に直結し、経営への影響も避けられません。それゆえ、大学側としても簡単には応じられないのが実情です。

実際、2025年11月18日に任意団体「入学金調査プロジェクト」が調査結果を公表したところによると、東京都内の私立大学120校のうち、負担軽減の制度を導入しているのはわずか3%(4校)に過ぎず、大学側が消極的であることが分かります。
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「入学金の8割」が戻ってくる? いち早く動いた大学の“英断”
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