「定年後に孤立する人」の共通点はスマホ。和田秀樹が危惧する、50代からの“デジタル依存”の恐怖

「食事中もスマホが手放せない」50代は危険信号? 和田秀樹氏の書籍から、シニアを孤立させる「スマホ依存」の恐怖と、AIに脳を支配されないための「デジタルとの付き合い方」を解説します。(画像出典:PIXTA)

AIは「拒絶」せず「利用」する

新しいテクノロジーを拒絶するのは得策ではありません。今、テクノロジーを正しく理解して活用し始めれば、シニア世代になった際に恩恵を受けやすいはずです。

常に好奇心を持って、前向きな気持ちで新しい技術に触れてみること。それが「AIとの共存」への第一歩になります。50代のみなさんでしたら、大いにそれは可能です。

大切なのは、「どこまでAIを使い、どこまで自分流を残しておくかの柔軟性」です。

ロボットが家事をしてくれれば、確かに楽にはなります。ですが、自分の手で料理を作り、掃除をする喜びがある人もいます。ならば、その喜びを大切にすることも、自分の人生にとって重要なことになるはずです。

「判断」を委ねると脳は一気に衰える

認知機能が衰えても、いきなり判断をAIに委ねるのは早計かもしれません。

まずは自分で考え、決めようとすること。脳の可塑性を信じて、使い続けるとそんなに機能が落ちないこともあります。AIに助けを求めながら、自分でできることは自分でやる。そんな柔軟性を持つことが、人間らしく生きているという実感を与えてくれるかもしれません。

テクノロジーの進化は、私たちの人生に無限の可能性をもたらしてくれます。

これまでのシニアの方々の発想は「機械に頼る」か「機械を拒否して自力で限界まで頑張る」の二択になりがちでした。

一方、現代は人間とテクノロジーが共生する時代です。AI やロボットに生活を豊かにしてもらいながら、なおかつ自分で決めた満足感も保つようにする。そんな理想的な関係を築くために、私たちひとりひとりが知恵を出し合っていかなくてはいけません。

ある意味、今の50代はその先駆者となる存在なのかもしれません。極端な発想に陥らず、バランス感覚を持つ。

便利な道具に囲まれながらも、決して道具に使われることなく、道具を使いこなす。みなさんには、そんな自在さと柔軟さを身に付けてもらいたいと私は考えています。
50歳からのチャンスを広げる 「自分軸」
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この書籍の執筆者:和田秀樹 プロフィール
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長、 立命館大学生命科学部特任教授 。
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