肥満は身長の伸びを妨げるおそれあり!
ここまでお伝えしたとおり、身長を伸ばすうえで、エネルギー不足、栄養不足は避けなければいけません。しかし、だからといってやみくもに食事量を増やしたり、高カロリーのものばかりを食べたりするのもよくありません。その理由として知っておいていただきたいのが、肥満は身長の伸びを妨げるおそれがあるということです。肥満と身長の関係を説明する前に、子どもの早熟・晩熟と身長の伸びの関係を見ておきましょう。
身長の伸び=車の走行距離と考えるとイメージしやすいでしょう。「走っている速度×時間=走行距離」ですから、これを身長に当てはめると「骨が伸びる速度×時間=身長の伸び」となります。つまり、山の面積が大きいほど、身長が高くなるということです。
では、早熟と晩熟では、身長の伸び方がどのように違うのかを見てみましょう。
・早熟の場合:山の面積が小さい=身長の伸びが小さい
・晩熟の場合:山の面積が大きい=身長の伸びが大きい
早熟の場合、一気に骨の伸びが加速し、一気に減速し、身長の伸びが止まってしまいます。一方、晩熟の場合、骨の伸びはゆっくりと速度を上げ、ゆっくり減速していくため、身長が伸びる期間が長くなり、その結果、身長が高くなります。
身長を伸ばすためには、できるだけ早熟にならないようにしたほうがいいのは一目瞭然です。
思春期の時期は個人差がありますが、平均より2~3年早く思春期が訪れると「思春期早発症」と診断されます。早い段階で身長が伸びたとしても、それ以降は成長がストップし、最終的には低身長の原因になることが知られています。
そうなると、「そもそも、思春期の時期はコントロールできるのか?」ということが気になりますよね。
押さえておきたい「早熟と肥満の関係」
そこで、注目したいのが早熟と肥満の関係です。中国で行われた5000人の女児を対象にした大規模研究によると、思春期早発症を発症した女児は、標準体重のグループよりも肥満体重のグループのほうが有意に多かったと報告されています。男子についてはデータが不十分ということで、結果がまとめられていませんが、少なくとも、女子に関しては、肥満が早熟を招いたことは明らかです。
つまり、肥満が早熟を招き、早熟は身長を伸ばす期間を短くしてしまう可能性があり、最終身長が低くなる可能性がある。可能性がある限り、男女問わず、肥満にならない食事を心がけることが大切です。
子どもの肥満度を知るための計算式を紹介しますので、1週間に1回くらいのペースで、肥満度チェックを行ってください。「毎週日曜日、起床時に計測する」など、習慣化すれば案外楽にチェックを続けられるでしょう。
東京神田整形外科クリニック院長。金沢医科大学医学部を卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院整形外科へ入局。西新宿整形外科・院長職を経て、2020年に東京神田整形外科クリニックを開業。これまでの活動が評価され、『ウォール・ストリート・ジャーナル』にて、「Next Era Leaders(次世代のリーダーたち)」に医師として最年少で選出された。身長治療のスペシャリストとして、YouTubeチャンネルやInstagramなどのSNSでも積極的に発信している。



