「お土産文化」に対して反対の声も増加中
「えーと、まずうちの部署だけで8人でしょ、前の案件ではマーケにもかなり世話になったからあちらも5人……」「このお菓子が値段的にもピッタリだけど、最近他の人のお土産で甘いものが続いているからやめておくか」。こんな感じで、休暇中にもかかわらず、ひと足先に「仕事脳」に引き戻されてしまうという人も少なくないはず。実際に、『女の転職type』を運営するキャリアデザインセンターが、働く女性640名を対象に「職場でおみやげを配る文化はある?」とアンケートをしたところ87.6%が「配る」と回答している。
ただ、最近このようなカルチャーが苦痛でしょうがないというビジネスパーソンも増えている。なぜ仕事以外の大事な時間を割いて、そんなことに時間や労力を費やさなくてはいけないのか。「強制ではない」と言いながらも、なぜお土産を買っていかないと微妙な空気になるのか。そんな不満を口にする人もいて、「お土産ハラスメント」なる言葉も生まれている。
実際、先の調査でもこのような「職場のお土産文化」について「いいと思う」と回答した人が52.5%なのに対して、「よくないと思う」という人も30%にのぼっているのだ。
年商146億円企業では贈り物全てを禁止に
そのため「職場のお土産」をなくす会社も増えてきている。例えば、採用から定着まで企業の成長を支援するアールナインでは2年前から、帰省や旅行で職場にお土産は「不要」としている。また、お笑い芸人だった森武司氏が設立した年商146億円の「FIDIA」でも、お土産、誕生日プレゼント、バレンタインやホワイトデーなどの贈り物を全て「禁止」している。
このような話を聞くと、旅行や帰省するたびに「職場へのお土産」を配って回っているような人たちは「無駄とは何事だ! 互いにお土産を渡し、渡されることで親睦も深まって仕事もうまくいくじゃないか」と頭がクラクラしてくるかもしれない。どこかに出張したら、「部のみんなにおみやげを買わなければ」という強制的な空気に苦しめられるのは無駄だ。どの範囲まで渡すのか、お返しは何にしようと悩むのも無駄だ。会社として禁止すれば、互いにラクな環境ができる。このルールは社員に好評だ。
(『社内でおみやげを禁止すると起こる意外な変化とは?』ダイヤモンド・オンライン)
しかし、残念ながら、そういう“ウェットな人間関係”で仕事を成功させようという発想自体が、会社組織に属する者としてはかなり問題だ。



