子育ての悩みの9割は親にある! 子どもを叱って自己嫌悪を繰り返す親がはまっている「7つの沼」

毎日「宿題しなさい!」と子どもに言い続けることに、疲れていませんか? いい教育法を学んでも、9割以上の保護者が「頭では理解しているのに実践できない」と悩みます。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?(画像出典:PIXTA)

【沼チェックリスト】自分のはまっている沼とは?

自分のはまっている沼を知るための35項目の質問を用意しました。質問に答えて、最も多くのチェックがついたカテゴリーが、あなたがはまっている沼です。

チェックが同数の場合は、複数の沼にはまっていることになります。

沼チェックリスト

沼1. 子どもの発達
□参観日に行くと、他の子よりも自分の子どもができないように感じる
□このままでは、子どもの将来がどうなるのか不安
□子どもの成長で心配なことがあるとすぐにネット検索をする
□医師や先生、ママ友から言われたことを引きずってしまう
□わが子は、何事もできるようになるのが遅いと感じる

沼2. 子どもの受験と試験
□学歴は重要だ
□日常生活は、受験のための準備だと思っている
□周りの子が塾に行くとあせる、不安
□受験対策は早くから始めたほうがいい
□同学年の子に後れをとりたくない

沼3. 子どもの宿題と習いごと
□毎日コンスタントに同じ熱量で宿題や勉強、習いごとの練習をすべき
□宿題や勉強、習いごとの練習は自主的にやるべき
□宿題や勉強、習いごとの練習を毎日「やりなさい」と言っている
□宿題や勉強、習いごとの練習をさせることは親の役目だ
□つらい練習や課題のほうが上達する

沼4. 他者評価
□親から厳しく育てられたと思う
□役職や報酬など、わかりやすい成果や評価を得たい
□どうせなら高い評価を得たい
□周囲の目がとても気になる
□できれば誰からも嫌われたくない

沼5. パートナーとの関係(現在パートナーがいる人への質問です)
□パートナーとの日々の会話が業務連絡ばかり
□パートナーに言いたいことを言わずに我慢している
□どんなことでもパートナーには負けたくない
□パートナーとは1年以上手をつないでいない
□パートナーは自分に無関心だと思う

沼6. 自己実現
□自分は同年代の周りの人に比べて後れをとっている気がする
□「あの人ばかりうまくいってずるい」と思うことがある
□自分ばかりがんばっているが報われない
□自分の実力は出し切れていないので、まだまだやれる
□子どもは自分のやりたいことを邪魔するものだと感じる

沼7. 自分の成育環境
□自分の行動を責める傾向が強い
□親に言われた忘れられない言葉がある
□自分の育った環境はみじめだと思う
□親に見てほしかった、わかってほしかったという思いが今もある
□実家に帰ると体調が悪くなる

ブレない子育てを実現する「自分軸」の見つけ方

沼にはまっている親は、エネルギーを使い果たして消耗している状態です。それでは、必要な情報収集ができませんし、適切な意思決定もかないません。

お酒を飲みすぎた翌日や睡眠不足の日はエネルギーがないので、「頭が回らないな」と感じますよね。そうなると、自分のことも子どものこともきちんと判断できずに、消耗ループに陥ってしまうはずです。沼にはまると、この状態と同じことになります。

だから、まずは沼から脱して、その消耗ループを止めること。これが学びの仕掛けづくりとともに重要になってくる、戦略的ほったらかし教育を機能させるもう一つの軸となります。

沼から出るとともに再度はまらないためには、自分の価値観を明確にして、それを軸に考えたり行動したりすることが必要です。繰り返しになりますが、沼にはまるのは、自分の真の価値観をもとにした自分軸を見つけていないからです。

なぜ「真」の価値観と言っているかというと、今のあなたが「私の価値観はこれだ」と思っていることと、本質的に持っている価値観が異なることがよくあるからです。私の講座中にも受講生が「自分はこれが大事だと思って生きてきたけれど、本当はこちらだったんですね……」とハッと気づく瞬間があります。

自分の「真の価値観」と「頭で思い込んでいる価値観」に差があれば、子育てに混乱したり苦しくなったりするのも当然です。なぜなら、本当に必要とすることに、自分の人生の時間もお金もかけられていない状態なのですから。

真の価値観を見つけて沼から脱していくことは1日、2日ではできません。すぐによくなったり1週間で効果が出たりするわけではないのです。年単位で変化していき、気づくと以前よりもずっと生きやすくなっている。そして、不安やあせりがないので、どっしりと構えて子どもを見守ることができ、家庭に安心感が生まれます。

もしかしたら、自身の沼に気づいたり価値観を見直したりすることは、緊急性のないことだと感じるかもしれません。子どもの忘れ物を防いだり算数の成績を上げたりすることのほうが、緊急度が高くて大事なことだと思う人もいるでしょう。

しかし、私はこれまでの経験から実感しています。自分理解を深め、自分の人生の方向性を定めない限り、子どもや親子関係についての悩みは消えることがありません。そして、自分理解ができていない状態だと、せっかくの戦略的ほったらかし教育も機能しないのです。
自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
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岩田かおりさん プロフィール
家庭教育コンサルタント/株式会社ママプロジェクトJapan代表/全国ワーキングマザーの会副代表。幼児教室勤務を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の思いから、独自の教育法を開発。ガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。3人(1男2女)のママ。最新刊『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
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