特に、中学受験を意識して、「勉強習慣がついていない」「わが子はこのままで大丈夫だろうか」と感じている保護者はたくさんいるという。岩田さんはこうしたお悩みにどう向き合っているのだろう。
机に向かうだけが勉強でない! 「勉強」のイメージの転換を
「保護者の中には勉強=机に向かってコツコツ取り組むものというイメージを持っている方も多いです。また、『勉強は我慢してやるものだ』という学習観の人も少なくありません。まずは、こうしたイメージを転換する必要があるでしょう」と岩田さんは言う。その上で、大事にしていきたいポイントが3つあると教えてくれた。
「1つ目は、頭を動かしていれば全て学びだということです。子どもは机に向かっていないと学んでいないかというと、そんなことはないですよね。
例えば、日常生活でお手伝いをしているときも、いかに効率的に終わらせるか必死に頭を巡らせている。お父さんお母さんも『この子、こんなこと思いついたの!?』とびっくりするこがあるのではないでしょうか。そうした、頭を動かすこと全てが子どもにとっての学びです」
「勉強=快」の状態をつくっていく
「字が汚い」「勉強していても落ち着きがなくて」といったことを口にする保護者も多い。そして、つい「きれいに書きなさい!」「足はぶらぶらしないの!」などと注意をしてしまうことも……。「勉強習慣を付けるために大事にしたいポイントの2つ目は、『勉強=快』の状態にさせておくことです。勉強しているときに不快な思いを重ねていると、『勉強=不快』になってしまいます。
たとえ、勉強の内容に抵抗感はなかったとしても、『鉛筆の持ち方、ちゃんとして!』『きれいに消しゴムで消しなさい!』といった注意ばかりしていると、子どもにとって勉強時間は叱られる不快な時間になってしまいます」(岩田さん)
勉強自体が嫌いなわけではないのに、体験として不快になってしまったとしたら、もったいない。こまごまと注意をするのではなく、まずは「勉強は楽しい」と感じる体験を積み重ね、習慣化につなげていくことが肝だといえそうだ。



