9歳以下の行方不明者、年間1000人。わが子を“連れ去り犯”から守るために親にできること

コロナ禍で一時は減少したと言われる「子どもの連れ去り」。最近は外を出歩く機会が増えて増加傾向にあります。セコムIS研究所の舟生岳夫さんに、子どもの連れ去りがいつ・どのように起きているのか、対策方法を伺いました。

警察庁によると、2023年の行方不明者数は9万144人。コロナ禍以降、その数は毎年増加しています。年齢層別では10歳代の行方不明者数が最も多く1万7732人。9歳以下では、1000名前後の子どもが毎年全国で行方不明になっていることが分かります。

セコムIS研究所のチーフ研究員・舟生岳夫さんは、「子どもの連れ去りは、決して他人ごとではない」と語ります。
 
「昔は身代金などの要求でお金持ちの子どもを誘拐するケースが多かったのですが、最近はいたずら・監禁など子ども自身への関心による犯罪が増えてきました。保護者の皆さんは、全ての子どもがターゲットになっているのだという危機感を抱いてほしいです」
子どもと不審者
子どもの連れ去りは、一人でいるところを狙われやすい

連れ去り被害は、夕方の時刻が最も多い

子どもの連れ去りが最も多い時間帯は外が暗くなり、周りからも見えにくくなる夕方だと言います。
 
「子どもたちは下校や通塾のため、一人で過ごすことが多い時間です。冬の方が暗くなるのが早いですが、夏は子どもが薄着になり、連れ去り犯を刺激しやすくなります。明るい時間帯でもターゲットになりやすいので注意しましょう」

連れ去り場所は、都市部の人目がある地域よりベッドタウンなどの住宅街が多いそう。人目が多いと子どもに声を掛けづらいですが、閑散とした道路では声が掛けやすいと言います。

このほか、スーパーなども連れ去り場所として選ばれることが多く、過去には、スーパーのトイレに子どもを連れ込み、リュックに入れて連れ出したケースもありました。

「習い事で外が真っ暗になるような時間帯は、保護者が子どもを迎えに行くと安心できますね」

子どもの連れ去りで使用される4つの声掛けパターン

連れ去りの犯行手口について、舟生さんは「子どもが自分から付いてくるように声を掛け、車に乗せて立ち去ることが多い」と語ります。車に乗ると周囲から状況が分かりにくくなり、チャイルドロックを掛ければ車の扉を中から開けられなくなるからです。

「知らない人の車には、絶対に乗らないように約束しましょう。その上で、不審者が子どもを連れ去る際は次のような声掛けが多いことも知っておきましょう」
 
子どもの連れ去り声掛けパターン
1. 好きなもので誘う
キャラクターグッズなどを見せて「たくさんあるから、分けてあげる」などと誘い出す

2. 困っているふりをする
「道に迷った」「おなかが痛い」などと助けを求める

3. 「モデルにならない?」と声を掛ける
「かわいいから写真を撮らせて」「モデルになれるから事務所に行こう」と声を掛ける

4. 緊急事態を装う
「お母さんが事故に遭って病院に運ばれたから、連れて行ってあげる」などと誘い出す 

「グッズで誘う手口は、小学校低学年までに特に多く見受けられます。カバンにキーホルダーなどをぶら下げていると、『私はこのキャラクターが好きです』と公言しているようなもの。連れ去りに利用されることがあるため注意が必要です。
 
高学年になると、保護者の緊急事態を装ったり、モデルにならないかと声を掛けられたりする事案が増えてきます。子どもたちは普段から、『困っている人に親切にしましょう』と教わっているので、助けを求められると応じてしまうことが多いんです。
 
中高生は、SNSなどで知り合いになった相手に誘われるケースもあります」
 
いずれにしても、連れ去り犯は相手が冷静に判断できない状況を作り出すことにたけているため、注意が必要です。
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ターゲットになりやすい子の特徴とは
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