フランス人が「日本の冬」を愛する意外な理由。寒い季節でも観光客に大人気な“東京以外”の街とは

外国を訪れる前と訪れた後で、その国のイメージが変わったことはありませんか? 日本を訪れた外国人観光客も同じ経験をしていると思いますが、フランス人が感動するポイントは、日本人にとっては少し意外なものばかりでした。在住者がフランス人の声を代弁します!

フランス人はなぜ日本の冬が好きなの?
フランス人はなぜ日本の冬が好きなの?(写真は筆者撮影、以下同)
日本では、今年も桜が美しく咲き誇りました。各地の桜スポットでは外国人の姿も多かったのではないでしょうか。

フランス人が「日本の冬」が大好き

そんな桜の風景が見られる春と、紅葉の季節である秋は、筆者が暮らすフランスでも「日本のベストシーズン」として大変に有名です。しかし実際に日本を訪れたフランス人からは、「日本の冬が最高だった」という声を幾度となく聞きました。

寒くてアクティビティも制限される冬が、なぜここまで人気? と思いましたが、実際にフランスで冬を経験してみると、その理由に深く納得してしまいます。まずは季節の話からご紹介しましょう。

日本の「冬晴れ」がフランス人に人気の理由

日本の神社
鎌倉の景色
日本には「冬晴れ」という言葉があります。気温は低くても、スカッと青空が広がる光景は見ていて気持ちの良いもの。ところが、フランスは「冬晴れ」どころか、冬の間は太陽を見る機会さえほとんどありません。降水量も多く、セーヌ川をはじめとした河川が氾濫する季節でもあります。
パリの風景
真冬のパリは曇天続き
特にパリを含む北フランスでは、どんよりとした天気が毎年10月の終わりごろから3月の初めごろまで、およそ5カ月も続きます。筆者はこの長く暗い冬を今までに6回経験してきました。つまりフランス滞在も今年で7年目を迎えるわけですが、周囲のフランス人と同じく、冬のフランスが大の苦手になりつつあります。

偶然にも冬季に日本を訪れたフランス人は、その天気の良さに感激するのだそう。通常、フランス人のバカンスシーズンは6月から9月が定番ですが、たまたま冬季に訪れた友人らは「日本の冬が素晴らしかった!」と口々に言っていました。

特に1月から2月にかけての日本は晴天の日も多く、澄み切った空気に満ちた美しい季節。太陽に飢えた彼らにとって、日本の冬は「光にあふれた避寒地」のように映るのでしょう。日本の冬がどれほど魅力的であるかを、まだ訪れたことのない友人たちに熱心に語る知り合いもいるほどです。

一方、寒さはそれほど気にならないとのこと。何よりも太陽が拝めることがうれしく、温泉もあって、関東からでも富士山を見渡せる冬に大きな魅力を感じるということです。
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冬のフランス人は冷たい
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