「ドラム式専用洗剤」を縦型洗濯機で使ったらダメ？ そもそも何が違うの？【家電のプロが解説】

洗濯用洗剤で見かける「ドラム式専用」のもの。仮に縦型洗濯機で使用した場合、どのようなことが起きるのでしょうか。

「All About」ガイドで、企業の製品開発のお手伝いやPR支援なども行うコヤマタカヒロが解説します。
  どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

洗剤にはどのような違いがある？

洗濯用洗剤は、それぞれ洗い方が異なる洗濯機の構造に合わせて、汚れが落ちるように開発されています。

縦型洗濯機の洗い方は、たっぷりの洗濯水を回転させて、衣類同士をすり付ける「もみ洗い」。ドラム式洗濯機の場合、少なめの洗濯水で、ドラム槽の回転によって衣類を持ち上げて下に落とすことで行う「たたき洗い」です。このため、一般的な洗剤に比べ、ドラム式用は水の量が少ないことを前提に開発されています。

中でも最も大きな違いがポリマー成分の有無。ドラム式洗濯機では、洗濯水が少ないため、せっかく落とした汚れが再び衣類に付着する「汚れ戻り」が発生することがあります。そこでドラム式専用洗剤には汚れ戻りを防ぐために、ポリマー成分が含まれています。これは縦型洗濯機には不要な成分なので、あえて高コストなドラム式用洗剤を使う意味はありません。

どうしても使う場合は洗剤の量の調節を

では、間違えて購入してしまったり、洗濯機本体を買い換えるタイミングなどで、洗剤が余ってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。そのような「どうしても使いたい場合」は洗剤の量を調整して使うようにしましょう。

ドラム式用洗剤は水の量が少ないことを前提に作られているので、縦型洗濯機で使う場合はやや多めに入れることになります。一般的にドラム式用洗剤の方が高価なので、常用するメリットはありません。

汚れに合わせて洗剤のタイプを選びましょう

洗剤を選ぶ際には、洗濯機のタイプ以外にもさまざまな要因が絡んできます。

現在最も一般的なのが液体洗剤です。洗剤の自動投入にも対応しており、最適な量をキャップなどで計って投入でき、柔軟剤や漂白剤なども同様に使えます。また、洗濯の回数の多い大家族には、ランニングコストが安い粉末洗剤がおすすめ。ワイシャツなどの白さを保ちたい場合も蛍光剤と漂白剤を配合した粉末洗剤が最適です。

そのほか、週末などに時短でまとめ洗いをしたいならジェルボールタイプも選択肢。ただし、量の調節がしにくいため、少量の洗濯には向きません。これらの洗濯洗剤に加えて、衣類によっては柔軟剤や漂白剤を組み合わせて洗濯しましょう。

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