藤原丈一郎が見せた“等身大”の演技の凄み
そんな『僕のあざとい元カノ』ですが、基本的には藤原さん、加藤さん、谷さんの3人でストーリーを作り上げます。特に藤原さんの演技が秀逸でした。藤原さんが演じた拓未は、広告系デザイン会社に勤める会社員です。ごく平凡でその辺にいるような設定の男性ですが、「プライドエベレスト」と呼ばれるほど少し勘違いしがちな一面も。なんとなく、職場に1人はいそうなキャラクター設定です。
そんな拓未を、藤原さんは等身大の演技で見せてくれました。ちょっとしたことにぬか喜びしたり、女心が分からず地雷を踏んでしまったり、男性ならではのあるあるを見事に表現。大げさにならず、ストレスなく見られる自然体の演技で恋に振り回される拓未を見せました。
よく言われる「自然体」は演技の中で難しい技術で、しっかりドラマのストーリーやキャラクターを理解していないと演じられません。そんなハイレベルな芸当を、藤原さんは今作品で嫌みなく見せました。
キャラクターの特性をつかみ、見事に表現
藤原さんといえば、キャラクターの特性をつかむのがうまい俳優です。例えば、2023年に放送した『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系)で演じた米澤大地でも、その実力を見せました。荒廃した見知らぬ世界にタイムスリップした極限状態の人々を描いた作品でしたが、藤原さんは常に明るくポジティブな大地を丁寧に表現。疲弊していく中で、微妙なテンションの差なども描き出し、大地を人気キャラに仕上げました。
今回の拓未も、しっかり特性をつかんで演じています。拓未は、優柔不断で仕事でも劣等感を抱えるなど、格好悪い部分もある男性です。スタジオで見ている女性陣からツッコまれ続けるダメ男ですが、拓未が持つやさしさや人間臭さをうまく演じて、どこか憎めない愛されキャラに仕上げました。
『僕のあざとい元カノ』のヒットは、加藤さん、谷さんの熱演もありましたが、やはり毎回のように行動が話題にあがる拓未を作り出した藤原さんの功績が大きかったと言えるでしょう。
オリジナリティあふれるキャラクターを作り出せる藤原丈一郎
『僕のあざとい元カノ』で俳優として進化した姿を見せた藤原さん。今後は、俳優としてもっと本格的な活動が期待されます。例えば、朝ドラの登場人物や時代劇、ミステリー作品など藤原さんの新たな魅力を発揮できる作品に出演してほしいところ。同世代には人気俳優も多く活躍していますが、藤原さんはオリジナリティあふれるキャラクターを作り出せる存在として活躍する実力を持っています。ぜひ、次回作が決まったら、また秀逸な演技を見せてくれることを願っています。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。