「辞めるな、でも変えろ!」教員が心を病まずに働くための“4月の秘策”をドラゴン先生に聞いた

13年間の教員経験を持つドラゴン教育革命の代表・坂田聖一郎さんが語る、教員のリアルな現状と働き方改革とは? 常にギリギリの状態で働く教員たちにおすすめしたい、働き方を変えるための「4月の秘策」やキャリアチェンジの可能性をお聞きしました。

教員が心を病まずに働く「4月の秘策」とは

4月に「キャラ設定」し、それを貫こう
4月にキャラ設定し、それを貫けば「仕事を頼みやすい人」にはならない
 ——そのような環境下でも、人を育てる仕事が好きだという方はいると思います。教員が心を病まずに働くためには、どのような心がけや意識が必要だと思いますか?
 
「ズバリ、4月が大事です! どういうことかというと、自分の“キャラ設定”をしっかり作っておきましょうということです。

心を病んでしまう教員には、とにかく真面目で仕事を断れないという人が多いのではないでしょうか。そういう方は、例えば『基本的には定時で帰る人』など、キャラクターを自分の中で設定し、それを貫けばいいのです。

遅くまで残っている教員って、管理職から見て仕事を頼みやすい人に映ってしまうんですよ。都合のいい人にならないよう、最初は心が痛むかもしれませんが、設定したキャラクターを貫いてください」
 
——一方で、キャリアチェンジを考えている教員も多いと思います。坂田さんから見て、教員経験者は、どのような業界で求められていると思いますか?
 
「塾講師など、教育業界では学校の先生としてのスキルは歓迎されると思います。また、マルチタスク能力がとても高いことも評価される特徴だと思います。複数のことを同時進行させるスタミナがある方が多いですから、そこは強みにしてほしいですね。
 
一方で、一般企業に比べて、基本的なメールのやりとりやスーツを着てのビジネス経験は少ないですから、ギャップやつまづきを感じることも多いかもしれません」
 
——キャリアチェンジした教員の多くが感じるギャップやつまづきには、どのようなものがあるでしょうか。
 
「先ほども少し触れた、『ビジネス経験の少なさ』に尽きます。教員という仕事は集客をして利益を上げる仕事ではありませんから、そこで苦労する方は多いのではないでしょうか。

僕が独立したときに痛感したことは、まさにビジネスに関する知識が自分に全くないということでした。自分はこんなにもビジネスを知らないのかと愕然(がくぜん)としました。特に僕の場合は、転職ではなく起業。しかもコロナ禍で人に会いに行けないという、かなり不利な状況からのスタートでしたから、何もかも手探り状態でした。
 
そこからSNSでの発信を始めて多くの方に知っていただくことができ、現在はコーチング講師として活動しています。

SNSは1対多数のコミュニケーションですよね。これはまさに学校で日々やっているコミュニケーションの形なので、先生がすごく得意なことなんですよ。こんなふうに学校や教育業界以外でも教員として培ったスキルを生かす場はありますから、そこまでたどり着くためのビジネススキルを身に付けることが大事だなと思います」
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起業した元教員が「教師を辞めるな!」という理由
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