現場の教員には「辞めるな!」と伝えたい

「ご自身のメンターをつくってみてはどうでしょうか。自分がこうなりたいと願うロールモデルでもよいと思います。
学校の先生だったときは、自分自身が子どもたちにとってのメンターだったと思います。しかし、学校から一歩外に出れば、自分も子どもたちと同じ立場ですから、自分に先生を付けるというのは確実な方法なのではないかなと思います。
もう1つ付け加えるとすれば、他人軸のみではなく自分軸を取り入れて働くということ。一般企業への転職、もしくは独立を目指すのであれば、『管理職にこう言われたから』『子どもたちがこう言っているから』ではなく、自分がどうしたいのかという意志をもち、自己決定することが大事だと思います。
繰り返しになりますが、教員は真面目で頑張り過ぎてしまうことが多い人たちです。しかし、周りからの声だけではなく、自分自身がどうしたいかに重点を置いてみてほしいです」
——最後に、学校の先生を続けながらも自分の働き方に悩んでいる先生へのメッセージをお願いします。
「ここまでいろいろ話してきましたが……僕から言えるのは『教員を辞めるな!』でしょうか(笑)。もちろん、つらくてしょうがないという方に辞めるなとは言わないです。
しかし、学校が大変だからといって、転職や起業がラクだなんてことはありません。新たな仕事を覚えることのほかに、これまでと異なる環境への適応などさまざまなギャップが生じるでしょう。
僕は、安易に環境を変えるのではなく、まずは自分自身を知り、自分を取り巻く環境の捉え方を変えることのほうが目の前の問題解決につながると感じます。
それがまさに僕が講師をしているコーチングの考え方です。自分から見たらマイナスに思えた要素も、見方を変えたら実はプラスなことだった、なんてこともたくさんありますから」
坂田 聖一郎さん プロフィール
大学卒業後、芸人を目指し現在「しずる」村上純とコンビ結成するも解散。その後、教員を13年間経験。独立し「株式会社ドラゴン教育革命」を設立。「学校教育にコーチングを」をスローガンのもと、「ままためコーチング塾」をスタート。子育てや家事で忙しいお母さんや教員にも親しみやすい丁寧な指導が好評。All Aboutの子育て・教育ガイドとしても活躍している。
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この記事の執筆者:大塚ようこ
子ども向け雑誌や教育専門誌の編集、ベビー用品メーカーでの広報を経てフリーランス編集・ライターに。子育てや教育のトレンド、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。