教員という仕事のリアル、そして今まさに働き方に悩んでいる現場の教員たちへのアドバイスをお聞きしました。

学校の先生が「ブラック職」だと言われる理由
——現在、教員という仕事がブラック化している最たる理由は何でしょうか。「授業準備、子どもの対応、保護者対応……1人に対して『業務全部乗せ』という状況ではないでしょうか。そういったものが総合的に教員の仕事を煩雑にしていると思います。
例えば、子どもたちの間でトラブルが起こると、周りにいる特別な支援が必要な子どもがパニックになってしまう。すると保護者から問い合わせの連絡が来て……というように、全てつながっているんですね。どこが1番と切り取って話すのが難しいです」
——学級崩壊などもさまざまな要因が重なって起こってしまうということでしょうか。
「そうだと思います。教員って、常にコップに水がなみなみと注がれているような、ギリギリの状態での業務が求められているんですよ。さまざまな子どもを1度に30〜40人見ているわけですから、気が抜ける状況がほとんどなく、土日ですら学校のことを考えているという人は多いと思います。私もそうでした。
そのような環境で評価されるのは、仕事をたくさん抱えて頑張るタイプの教員。無理できてしまう教員が『立派だ』という雰囲気になってしまうんですよね。
そうやって限界まで頑張る教員が心身ともに疲れ切ってしまい、最終的に休職してしまうということも珍しくありません。休職すること自体は悪いことではありませんし、自分を守るために必要な選択です。しかし、休職に追い詰められるまでSOSを出せない方が、教員という職種の人には多いと感じます」
——そうした状況を打破するためにキャリアチェンジ(転職)という選択をする方もいるのでしょうか。
「私が知る限り、それほど多くはないと思います。教員になる方は基本的に真面目な人が多いので、『転職=逃げ』と考えてしまう方が一定数いらっしゃるのかもしれません。
また、キャリアアップという選択肢も選びにくい環境があります。先ほども話した通り、教員は常に精神的にギリギリの状態で指導、保護者対応、学校行事の運営などをおこなっています。キャリアアップのためには、ほかの仕事のペースを落として自己研さんの時間を作る必要がありますが、とてもじゃないですがそんな時間は持てません。
一般企業なら、納品したら一息つくとか、決算までは頑張ろうとか、仕事の区切りを付けやすいですよね。しかし、学校の先生の仕事にはインターバルがほぼないんです。3月31日が過ぎたらすぐに次のクラスの準備に追われます。相当な覚悟を決めて時間を作ろうとしないと、現状を変えるのは難しいというのが実情です」