「布団の上でパソコンをいじってはいけない」って本当ですか?【専門家が回答】

布団に入ったままパソコン作業をしたことがある人も少なくないはず。しかし、「布団の上でのパソコン作業は避けるべき」という声もあるようです。実際のところはどうなのか、「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。

「布団の上でパソコンをいじってはダメ」って本当?
「布団の上でパソコンをいじってはダメ」って本当?
ベッドに入ったまま、布団の上でパソコン作業をした経験がある人も少なくないでしょう。しかし、「布団の上でパソコン作業をすることが故障につながる」という意見もあるようです。実際のところどうなのでしょうか。

「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
 

(今回の質問)
「布団の上でノートパソコンをいじってはいけない」と聞きました。本当ですか?

(回答)
布団やカーペットなどの上に直接載せて使うのは避けた方がよいです。このような素材の上でパソコンを使った場合、ホコリが内部に入り込み、パソコン内部で発生した熱を冷やせなくなる場合があります。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

冷却ファンが正常に動作しなくなる恐れがあります

ノートパソコンには内部の発熱を冷やすための冷却用ファンが組み込まれています。このファンは空気を吸い込んで内部を冷やし、熱くなった空気を外に出す仕組みです。そのため、布団の上で使ってしまうと、布団などのホコリを空気と一緒に直接吸い込んでしまう可能性があります。また、素材やパソコンの置き方によりますが、空気の吸い込み口や吐き出し口をふさいでしまい、空気を取り込んで熱を吐き出すという作業自体がうまくできなくなる場合もあるのです。

どのメーカーもホコリが入り込んだ場合のテストをしているので、すぐに故障するようなことはありません。ただし、長期的には冷却に問題が発生するため、パソコンの動作速度などに影響が出てくるといえます。

こうした問題は、布団や毛布だけではなくカーペットの上に置いて使う場合にも気を付ける必要があります。もちろん、ホコリっぽいところでの使用も避けた方がよいでしょう。

布団だけでなく「膝の上」も危険?

このほか、ノートパソコンを膝の上で使う場合にも、使用している機種や着ている服の素材によっては注意が必要です。パソコン底面や側面に空気の吸い込み口や吐き出し口があった場合、柔らかい服の素材がそれらの開口部をふさいでしまう可能性があります。

綿やポリエステルなどでできた服から細かな繊維を吸い込む、といったことはほとんどないと思いますが、織り方や素材によってはそのようなリスクがあることも理解しておきましょう。

どうしても布団の上で使いたい場合には

どうしても布団の上で使いたい場合には、布団の上に板のようなものをおいて、その上にパソコンを載せて使った方が安全です。膝の上でノートパソコンを使う場合にも、カバンなど柔らかい素材ではないものを膝の上に載せ、その上でノートパソコンを使った方がよいと思います。

もし、普段から布団の上などでパソコンを使用していた場合で、以前よりも早くパソコンが熱くなる、冷却ファンの回転音が気になる、動作が全体的に遅いなどの症状があれば、内部にホコリなどが入り込み発生した熱の処理に問題がある状態かもしれません。このような状況になっている場合は、メーカーのサポートに相談することをおすすめします。
 
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この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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