富士山と相模灘を望む「吾妻山・6万株の菜の花」開花遅れも、観光客続々(神奈川県二宮町)

神奈川県有数の冬の絶景が楽しめる二宮町の吾妻山。天候不順の影響で2025年は大幅に開花が遅れているが、二宮町観光協会が主催するイベント「菜の花ウォッチング」はすでに開催されている。

海風に揺れる6万株の菜の花、その向こうに広がる相模灘。西の空の下には冠雪した富士山……。神奈川県有数の冬の絶景が楽しめる二宮町の吾妻山だが、天候不順の影響で2025年は大幅に開花が遅れている。

全体では3割咲き

吾妻山へはJR東海道線の二宮駅が最寄り。駅から登山口(役場口)までは徒歩5分ほど。ここからおよそ300段の階段が続き、さらに緩やかな坂道を登って山頂の展望台を目指す。
 
1月中旬のこの時期、展望台に到着すると、例年ならば満開の菜の花が出迎えてくれるのだが、今年は少し様子が違う。全体の開花状況は3割程度。日の当たりづらい展望台の西側の斜面では、そもそも茎が育っていない。
吾妻山の菜の花
吾妻山の菜の花。3割程度の開花状況(2025年1月16日撮影)
それでも筆者が訪れた1月15日は、平日にもかかわらず、昼頃に30人くらいの人が菜の花見物に訪れていた。吾妻山の菜の花は近隣では有名で、開花を楽しみにして、毎年訪れるという人も多いのだ。
 
なお、吾妻山には4つの登山口があるが、駅から近い役場口は長く急な階段が続くので健脚向き。駅から登山口までやや距離があるが、中里口は坂が緩やかなので高齢者やファミリーでも登りやすい。
菜の花の向こうに広がる海
展望台より。菜の花の向こうに広がる相模灘(2025年1月16日撮影)

菜の花開花に合わせてイベントも開催

菜の花の見頃はもう少し先になりそうだが、二宮町観光協会が主催するイベント「菜の花ウォッチング」(1月11日~2月16日)はすでに始まっており、週末を中心に物産品の販売やステージショーなどが行われる。
デジタルスタンプラリー
デジタルスタンプラリーなども開催中
また、イベント期間中、町内の見どころスポット7カ所を巡って、LINEでスタンプを集めるデジタルスタンプラリーや、参加店のレシートを集めると賞品が当たるレシートラリーなども楽しむことができる(台紙は二宮町観光協会で入手可)。
ウォーキングイベントも開催
吾妻山の菜の花と二宮・大磯町内の史跡を巡るガイドツアー
2月2日には、二宮町に隣接する大磯町観光協会の主催で、吾妻山の菜の花と二宮・大磯町内の史跡を巡るガイドツアーが開催される。定員50名。ガイド料、資料代、保険料など込みで参加費は1000円。申し込みは大磯町観光協会 公式Webサイトより行う。

この記事の執筆者:森川天喜 プロフィール
神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など
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