日本とは異なる「台湾の住宅事情」。東京よりも家賃が高く、「玄関なし」「風呂なし」は当たり前?
高層マンションの建設が急ピッチで進められている台湾。以前は古い物件が多かった郊外でも、現在は街の景観に合わせたおしゃれな建物に人気が集中しています。現地在住の筆者が台湾の住宅事情を解説します。
駐在や留学など、多くの日本人が生活する台湾。近年は台北や高雄など、都市部への人口集中がますます加速しているため、高層マンションの建設が急ピッチで進められています。
日本と同じように台湾でも、賃貸住宅の需要が高まる大学や商業施設が密集する地域では、部屋数を満たすために高層のコンクリート住宅が主体となっています。以前は古い物件が多かった郊外でも、現在は街の景観に合わせたおしゃれな建物が大人気。台湾の住宅事情を、現地在住の筆者が解説します。
家賃は、日本(東京)と比べてどう?
台湾に10年住んだ身からすると、台北の家賃は東京よりも高いと感じます。2LDK、3LDKなど家族向けの物件は、東京と同じか少し高いくらいの印象ですが、学生用のワンルームなどではその差が顕著です。東京のワンルームの平均家賃8万円程度を出しても同じクオリティーは望めず、「お風呂もエレベーターもない部屋」ということになります。
そのため、留学生などは、「雅房(ヤーファン)」と呼ばれるルームシェア型の部屋を借りることも。この場合、リビングやキッチン、トイレやバスルームなどは共同となりますが、その分家賃を抑えられます。
台湾独特の賃貸形式「分租套房(フェンズータオファン)」
そのようなルームシェアタイプの部屋のほか、日本にはないスタイルの「分租套房(フェンズータオファン)」というものがあり、これがなかなかお得です。
まず、普通のマンションとは違って玄関は共同です。しかし、個々の部屋の中に、トイレやシャワールームも備わっており、中にはリビングやキッチンまである部屋も。ルームシェアより家賃は上がりますが、普通のマンションよりは安く、それでいてプライバシーも保たれます。