フランスの人々にとって、1年で最も重要なイベントである「クリスマス」が終わりました。日本であれば、これから年末年始の準備が本格化するところですが、フランスではそうした習慣がありません。街ではクリスマスのイルミネーションが今も輝き続けており、クリスマスの雰囲気を残しながら新年を迎えるのです。
フランス人の仕事始めは、1月2日
さらに日本と違うのは、「年末年始休暇」と呼ばれるまとまった休みが存在しないこと。クリスマス前後はしっかりと休むフランスでも、年末年始の休みは1月1日の祝日のみで、12月31日まで通常通り働くのが一般的です。つまり1月2日から仕事が始まるフランスでは、日本のような「お正月ムード」が一切なく、新年を迎えた後もすぐに日常が戻ってきてしまいます。正月休みに家族や親戚とゆっくり過ごす日本とは、かなり対照的ですね。
「今年の汚れは今年のうちに」が存在しないフランス
ゆるゆると続くクリスマスの余韻を見て、当初は筆者も「日本と全然違うな」と感じたものでした。日本ではイベントが終わればデコレーションをすぐに片付けるのが普通で、特に年末に向けては新しい年を迎える準備が優先されます。しかしフランスではそうした文化がないため、年末を迎える際には個人でも会社単位でも特別な準備が行われないのです。
ということでフランスには、「年末の大掃除」や、「美容院に行ってきれいな状態で新年を迎える」習慣がありません。仕事先でも普通に過ごし、「ちょっと特別な週末を迎える」という感覚で大みそかを迎えます。日本の特別感あふれる年末年始とは違い、非常にあっさりとした時間が流れるのがフランスの特徴です。
日本の年末年始休暇が「うらやましい!」
ただ自営業や開業医など、人によってはクリスマス前から年始まで長期休暇を取る場合があります。休みの期間にはかなり個人差があると言えるでしょう。ちなみにフランスの学校は、年末年始を挟んだ約2週間が冬休みとなっています。その間はスキー旅行に出かけたり、家族や親戚、友人たちと楽しい時間を過ごすフランスの人々。彼らの多くは、「キャリアのために仕事をする」というよりも、「生活のため」や「プライベートを充実させるため」に働いています。そんなポリシーを持つフランス人ですから、日本の年末年始休暇の習慣をひとたび知れば、多くの人が「うらやましい!」と感じることでしょう。
実際、日本の正月文化を知るフランス人からは、「いろいろやることがあって大変だけど、年末年始にゆっくり休むのはすごく良いことだね」といった感想を聞きました。やはりフランスの人々には、「休暇は長ければ長いほど良い」という感覚が根付いているようです。