弁護士・岡野タケシ氏がてんちむ“圧倒的敗訴”を解説「こういう裁判の解説動画が見たかった」と称賛相次ぐ

弁護士の岡野武志氏がSNSでてんちむさん敗訴について解説。「僕らが見たかった岡野タケシ弁護士」だと話題を呼んでいます。(サムネイル画像出典:「岡野タケシ弁護士【アトム法律グループ】」)

岡野タケシの名前でSNS活動をするアトム法律事務所のグループ代表弁護士・岡野武志氏が12月17日、自身のX(旧Twitter)で投稿を更新。タレントのてんちむさんが裁判で敗訴した件について、言及しました。

【実際の投稿:岡野氏、てんちむ敗訴を徹底解説】

「てんちむさん、かわいそう」に「少し違う」

岡野氏は、「YouTuber・てんちむさんが敗訴した裁判について、SNSでは『てんちむさん、かわいそう』という声が多く見られるが、冷静に考えると、その評価は少し違うように思う」と発信。
 

続けて、「この裁判は、てんちむさんがプロデュースしたナイトブラ『モテフィット』を販売したYUIKU株式会社との間で行われたもの」で、東京地方裁判所は16日、てんちむさんに対し3億8457万4504円の損害賠償支払いを命じたと説明。「事業者間の裁判でこれほどの損害賠償額が認定されたということは、それだけ明確な証拠や根拠に基づいて、YUIKU株式会社が受けた損害が裏付けられたということ」であり、感情論ではなく賠償額は証拠などに基づいて算出された金額であるとつづりました。

問題の発端「豊胸手術」を隠していたことも

同商品は「累計約55万枚」を販売し、「総売上は37億円に達するヒット商品」になったものの、「この問題の発端は、てんちむさんが豊胸手術を受けていた事実を隠しつつ、『モテフィット』をプロデュースし、バストアップ効果があると宣伝したことにある」「その後豊胸手術の事実が発覚し、てんちむさんは謝罪して返金対応を表明する事態に発展した」ため、YUIKUが「契約違反、返品対応の費用、売れ残り在庫、さらにはブランドの信頼失墜による損害を主張し、約5億円の損害賠償を求めて提訴」した結果であると解説します。岡野氏は、「これは『かわいそう』という感情的な判断ではなく、『てんちむさんの不法行為によって、YUIKU株式会社が現実に3億8000万円の損害を受けた』事実が証拠によって認定されたことを意味する」とも続けました。
 

さらに岡野氏は、「忘れてはならないのは、YUIKU株式会社も決して『勝者』ではないということだ。約3億8000万円の損害賠償が認定されたとはいえ、その金額を現実に回収できるかは不透明」であり、なおかつ「企業にとって、信頼失墜やブランドイメージの毀損は計り知れない痛手であり、ビジネスへのダメージは長期的に続く可能性がある」とYUIKU側の視点も語っています。
 

「てんちむさん、かわいそう」という風潮が広がっているが、現時点で本当に気の毒なのは、重大な損害を受けたYUIKU株式会社だ。事業者間の裁判で賠償額が認定されるのは、感情論ではなく、あくまで明確な証拠と根拠に基づくものだという点を忘れてはならない」と、SNSなどで出回る世論に一石を投じました。

裁判での勝訴、しかし現実は……?

同日、岡野氏は自身のYouTubeチャンネル「岡野タケシ弁護士【アトム法律グループ】」で、この裁判について、より深堀りした解説動画を公開。てんちむさんが自己破産を検討していると明かしていることもあり、「実際にお金を持っていないのであれば 判決で3億8000万円認定された」としても、YUIKUは「お金を回収することができない」ため、裁判としては勝訴判決であっても「絵に描いた餅みたいな感じで」最終的には「回収できずに終わってしまうケースっていうのも十分考えられる」とコメント。
 

仮に、てんちむさんが自己破産を申請し、裁判所で認められれば債権者となるYUIKUはこの賠償金を回収できなくなります。裁判の勝訴と現実は乖離(かいり)がある、という弁護士ならではの解説も展開。動画のコメント欄では、「僕らが見たかった岡野タケシ弁護士」「こういう裁判の解説動画が見たかった」「分かりやすかった」と称賛の声も上がっています。気になる人は、動画も合わせてぜひ、チェックしてみてください。
 

 

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