洸人の解放と喪失が描かれる展開に感服
愛生とライオンが小森家にやって来たことで、それまで“みっくん”こと美路人に付きっ切りだった洸人が、自分のために時間を使えるように。終盤では美路人を中心に周っていた洸人の日常が崩れ、平穏の傍らに戸惑いや不安が押し寄せる過程が描かれました。
Xでは、「ルールにこだわっていたみっくんが愛生と愁人との生活に順応していることと裏腹に、逆に洸人こそがその毎日のルールに実は安寧を感じていたという描写リアルすぎて」「そっか、ヤングケアラーとして人生を捧げてきた人が役割から解放された時に、自分の生きる意味を見失っちゃう、その絶望まで描くんだ」「なんか分かるなぁ、洸人の喪失感というかなんというか……切ないよね」「ケアしている側の痛みって忘れられがち。最後にここにフォーカスするの唸っちゃったよ」など、“隠れ家”にいた洸人の生き方に焦点が当たる展開に称賛の声が続々と寄せられています。
次回はいよいよ最終回。洸人がいなくなったことで、「自分のことが面倒くさくなった、嫌いになったから家を出たのではないか」と不安で落ち着かない美路人。「1人になりたいこともある」となだめる愛生。その頃、東京をあてもなく歩く洸人は、子どもの頃からのさまざまな思い出をたどりながら、美路人へ、そして家族への思いがあふれ……。凪と嵐を経た洸人、美路人がどんな“これから”に手を伸ばしていくのか、物語の行く末から目が離せません。
『ライオンの隠れ家』あらすじバックナンバー
・第9話
・第8話
・第7話
・第6話
・第5話
・第4話
・第3話
・第2話
・第1話
この記事の執筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌などの編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。