フランスの「抹茶ラテ」は日本とどう違う? あんこが苦手なフランス人の間で流行っている“和菓子”とは

世界で大ブームになっている日本の抹茶。その波は、グルメとトレンドに敏感な街、パリにも押し寄せています。抹茶はフランス人はどのように親しまれているのでしょうか。現地からフランス流「抹茶の楽しみ方」をご紹介します。

日本の抹茶が海外のトレンドになってから、長い年月が経とうとしています。かつては「セレブの飲み物」というイメージが強かった抹茶ですが、現在ではその豊かな香りや健康効果が再評価され、街のカフェでも気軽に購入できるようになりました。

そんな抹茶ブームは、フランス・パリでも同じように起こっています。名前はそのまま「matcha」。パリの街角では、抹茶ラテを片手に歩く人々の姿が日常の光景となりつつあります。

健康志向から生まれた一大トレンド

パリの抹茶
パリのコーヒーショップにて。抹茶ラテと抹茶シュークリーム(写真は筆者撮影、以下同)
パリのコーヒーショップでは今、「matcha latte(抹茶ラテ)」が当たり前のように並んでいます。少し前まではコーヒーや紅茶、ハーブティーが主流だったパリのカフェ文化ですが、現在では抹茶が定番ドリンクの1つとなりました。

この抹茶ブームが本格化したのは、コロナ禍以降のこと。健康志向が高まる中、抹茶に含まれる抗酸化作用やカテキン成分が注目され、「おしゃれで健康的な飲み物」としてフランス人の間で広く知られるようになったのです。
パリのカフェのメニュー
パリの新しいカフェで必ず見かける「matcha latte」
抹茶は飲み物だけでなく、スイーツの世界でも人気を集めています。例えば抹茶のクレープやマカロン、エクレア、シュークリーム……。その人気は留まるところを知らず、フランスのWebマガジンや料理サイトでも、毎週のようにさまざまな「抹茶」レシピが掲載されるようになっています。

専門店の登場

抹茶ソシアルクラブ
パリの抹茶専門カフェ「MATCHA SOCIAL CLUB」
さらに2024年には、パリの中心部に“抹茶カフェ”が登場しました。「MATCHA SOCIAL CLUB(マッチャ・ソシアル・クラブ)」という店名にあるように、抹茶をメインにした専門店です。

抹茶の専門店というと、お客さんも働いている人もアジア系をイメージしてしまいます。しかし実際の客層は、流行に敏感な20~30代の女性たち。人種に関係なく、温かいドリンクを求めて日々たくさんの人が集まっています。
パリ抹茶専門店
雪が降る日も「MATCHA SOCIAL CLUB」にはたくさんの人が
「MATCHA SOCIAL CLUB(マッチャ・ソシアル・クラブ)」で最も人気なのは、やはり抹茶ラテだそうです。ただ抹茶ラテはパリでも独自の進化を遂げていて、「日本文化の一部」というよりは、「美容と健康にいい新しい飲み物」として親しまれている印象を受けました。

そのためパリでは、日本人には想像もつかないようなアレンジや、フランス人の常識に合わせた「独特な」飲み方が受け入れられています。
次ページ
フランス人は抹茶をどう飲む?
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 世界を知れば日本が見える

    「民主主義の崩壊」兵庫県知事選、なぜ“陰謀論”が広まったのか。日本が「選挙×SNS」を対策できないワケ

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • ヒナタカの雑食系映画論

    祝・岡田将生&高畑充希結婚! ドラマ『1122 いいふうふ』5つの魅力から「この2人なら大丈夫」と思えた理由

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇