配信者でYouTuberのノックさんが自身のYouTubeチャンネル「シン・ノックチャンネル」で10月20日、動画を更新。メインチャンネル「ノックチャンネル」で過去に受けた相談から、闇バイトで詐欺に加担したという男の話を切り抜いた動画を公開しました。
「受け子とか出し子とかじゃない」を信じ……
「闇バイトってあるじゃないですか。そこにちょっとやってしまって……」と話す30代の男。SNSで募集していた「闇金の債権回収」に興味を持ち、報酬額は3~5万円という話で相手と接触したと言います。無論、闇金も犯罪ですが相手からは「受け子とか出し子とかじゃない」と、闇バイトではないことを匂わせられ、その言葉を信じて会いに行ったそう。個室ビデオに誘導されると、かばんの中をチェックされた上、スマホの電話帳などを写真に撮られた挙げ句、スマホを取り上げられ、代わりに別のスマホを差し出されたそう。その後、渡された携帯電話に指示が来て、指定された場所を転々と移動し、その日は終了したと言います。
しかし、取り上げられたスマホは手元に戻らないまま。男はもはやお金どころではなく、自分のスマホを返してと指示役とされる人物に頼んだものの、「まだ返されへん」と一蹴されます。相手の連絡先も分からず、連絡を取る唯一の手段は渡されたスマホに入っているアプリ「Telegram(テレグラム)」だけ。スマホを返してほしい男は指示役の言いなりとなり、その日は仕方なく帰宅したそうです。
債権回収ではなく……
翌日、渡されたスマホに連絡が入り、とにかくスマホを返してほしい男は指定された駅の近くにあるコーヒーショップへ。すると、スマホに男が警察官であるかのような画像が届き、これから85歳の老夫婦の家へ出向いて、息子が闇金からお金を借りていると話すよう指示されたそう。思い出して胸がつらくなったのか、「俺もこんなんやりたくなかった」と号泣しながら話を続けます。
男は指示役からコーヒーショップのプリペイドカードを用意し封筒の中に入れるように言われたそうで、いわゆる“キャッシュカードのすり替え詐欺”に加担させられたようです。この詐欺の手口は、警察官や裁判所の関係者を語り、被害者宅を訪問し印鑑などを取りに宅内へ戻った瞬間を狙って、キャッシュカードを入れた封筒と、あらかじめ用意しておいた封筒をすり替えるというもの。
男はイヤホン越しに指示された内容を老夫婦に話し、裁判所に提出するなどの理由をつけてキャッシュカードを受け取ったそうですが老夫婦から怪しまれ、「もう1人の警察官を呼ぶ」と伝え、キャッシュカードを持ったままその場から逃走。その後、コンビニに入るよう指示を受け、ATMで指示役から言われた暗証番号を入力し、50万円を引き出したそうです。
「明日からもまた、頑張ってな」
その後は商業施設内の個室トイレへ向かわされ、5回ドアをノックされたらドア下の隙間から自身の報酬4万5000円を抜いたお金を入れた封筒を渡すように言われ、これもまた言いなりに。これ以上、この仕事をしたくなかったそうですが、「明日からもまた、頑張ってな」と言葉を掛けられたと明かします。男のスマホはコインロッカーに入っており、なんとか取り戻せたものの、恐怖から現在は自宅に帰ることができず、ホテルに逃げ込んでいると告白。1度、母親から「仕事の関係者から連絡が入っている」という留守番電話にメッセージが入っていたようですが、それも無視していると話しました。
誰にも相談できず、今回の件は「債権回収」なのか「詐欺」なのかをノックさんや視聴者に判断してほしいという男。ノックさんは「はっきり言うけど債権回収じゃなくて、あなたは老夫婦を狙った詐欺の犯罪集団の詐欺の片棒を担いじゃいましたね」と伝え、「自首した方がいい」と促されると、「捕まるんですか」「捕まりますよね」と言い聞かせるように話す男。「こんなんするつもりはなかった」「スマホ1台のために人生狂ったなって思いましたね」とコメント。さらに、自身は障がいを持っており、自身で物事を判断できないため、親に相談してから警察へ行くと約束しました。
横行する闇バイト問題。青少年の被害に目が向けられがちですが、その限りではなさそうです。ノックさんは、「お金に困っててもネットの闇バイトなりね、そういうのは手を出しちゃダメ」「これは反面教師」「4万5000円……リスクとお金とか全然伴ってない」とコメント。ドッキリ凸のように「うそであってほしい」と願っていたようですが、「でも、ネタじゃないんだろうな」と漏らしました。万が一、闇バイトに手を染めてしまったという人は、警視庁総合相談センターの#9110、または03-3501-0110、ヤング・テレホン・コーナー(警視庁少年相談係)の03-3580-4970へ相談を。