「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
実家の母が、同じ電子レンジを20年以上使っています。何か問題はありますか?
(回答)
不具合が生じていない限り、特に問題はありません。
不具合が生じていない限り、買い替える必要はありません
家電製品の多くは、「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約及び施行規則」の第12条で「補修用性能部品の保有期間」が定められています。これは家電製品が故障した時に修理するため部品を家電メーカーが保有しなければならない期間のことです。この保有期間が買い替えの目安となるのですが、電子レンジは「8年」と定められています。一般的な使い方であれば、8年程度は使えるということです。20年以上も同じ電子レンジを使っているとなると、故障したらまず修理はできないと思いますが、不具合が生じていなければ特に問題ないと考えられます。確かに、年々省エネ性能が向上しているエアコンや冷蔵庫であれば、買い替えることで電気代が安くなる可能性があるのは事実です。しかし、電子レンジをはじめとする調理家電は基本的に10年たっても20年たっても省エネ性能はほとんど向上しておらず、買い替えによって電気代が安くなることはありません。出力ワット数×加熱時間で食品がどれだけ温まるかがほぼ決まるため、基本的な調理機能についての省エネ性能向上は見込めないのです。
新たな調理機能を活用したいなら買い替えるのも手
ただし、電子レンジやオーブンレンジは年々多機能化や高機能化が進んでおり、過熱水蒸気調理機能や炙り機能、レンジ加熱からグリル加熱へ自動的にリレーする機能など、古い電子レンジにはなかった機能が増えています。こうした機能を活用したいのであれば、買い替えるのもおすすめです。また、実際に不具合が生じている、もしくはその兆候が見られる場合は買い替えをおすすめします。ドアが開閉しにくい、ドアのパッキンがへたっている、異音や変なにおいがするといった様子があるのであれば、故障する前に買い替えを検討してください。
All About ガイドがすすめるレンジ:象印マホービン「EVERINO ES-GW26」
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。