初めての日本食に感動
——バングラデシュにルーツのあるシャラニカさん。家では米と魚を多く食べるのだとか。和食と共通点があるように思えます。好きな日本の食べ物などはありますか?「日本の食べ物はとてもユニークだと思います。私の父がバングラデシュからアメリカにやってきた時に初めて日本の袋ラーメンを知り、おいし過ぎて感動したそうです。私もそれを食べて育ち、のちに日本の物だと気が付きました。
日本の食べ物についてはたくさんの思い出があります。初めて食べた時のことはどれもよく覚えています。すしを初めて食べたのは高校生の時。友人とマグロの巻物を食べました。本格的なラーメンは大学時代に食べて、とても感銘を受けました。
たこ焼きを買うために、なんと2時間も列に並んだこともあります。妹にも食べさせてあげたくて、家に持って帰ったのですが、その頃には冷めてしまい、おいしさも半減したのが悲しかったです。また、初めて納豆を食べた時のこともよく覚えています。実は今も食べられません……」
レストランから台所へ
——世界中の人に影響を及ぼした新型コロナウイルス。そのおかげでポジティブに変わった習慣があるそうです。「これまで和食はレストランで食べるものでした。ところが厳しいロックダウンの下で多くのレストランが閉まり、和食が食べられなくなってしまいました。だから自分で作ってみることにしたのです」
——和食だけじゃなく、お弁当も作るようになったとか。
「ずっと日本のお弁当に興味があり、今まで自分でも何度か作ってみましたが、あまり美しい仕上がりにはなりませんでした。でも出社が始まると、在宅勤務の時に家で食べていた、きちんとした食事が恋しくなり、またお弁当を作ってみようと思うようになりました。作れば作るほど上手になったので、やりがいがあります。家には日本のお弁当に関する料理本が5、6冊あるんですよ」
お弁当を持って行くことはセルフケア
「ニューヨーク市では学校側が提供するランチがあるので、学生時代にはお弁当を持って行く必要がありませんでした。だからお弁当を持って行くと、愛を感じます。自分を大事にしている感じです。家庭を持ってからは愛する人にも食べてほしくて、お弁当を持たせています。忙しいパートナーのために時間をかけて見栄えのいいお弁当を作ったら、本当に喜んでくれました。最近はあまり作っていません。なぜならせっかく作ったお弁当をパートナーが家に忘れていったから! それにはちょっと怒りました」
——日本の家庭でもあるあるなエピソードですね。
この記事の筆者:Gena プロフィール
ドイツ在住3年目のライター、ボディポジティブモデル。個人ブログをきっかけに執筆活動を開始し、現在はヨーロッパのモデル事務所に所属しながら、「ヨガジャーナルオンライン」にてエッセイを連載中。学生時代にはアメリカ・ニューヨークにも留学経験あり。日本と欧米における視点の違いに関する情報を発信する。Instagram:@gena_2046