持ち前の“頭の良さ”を演技でも存分に発揮
そんな菊池さんの演技の魅力は、頭の良さを生かした理解力の高さだと考えます。高学歴アイドルとして有名な菊池さんですが、演じる役の本質をつかむのが抜群にうまいです。例えば、『吾輩の部屋である』では一人しか出演者がいない中で、見えない声とのコラボをうまく成立させるような表情作りから動きまでしっかり演じられています。ここ最近の作品でもキャラクター作りはうまく、三つの主演作でもしっかりと役を演じ分けています。『隣の男はよく食べる』では、彼氏いない歴約10年の大河内麻紀(倉科カナ)を相手に、菊池さんはグイグイと迫る年下の肉食系男子・本宮蒼太を熱演。年上女性を手玉に取るセクシーさを見せながら、時にはやきもちを焼くかわいらしい一面も見せてくれました。
ツンデレな蒼太の魅力を存分に表現したかと思えば、『ウソ婚』では女性にモテ過ぎて困っているドSの一級建築士・夏目匠を担当します。女よけのために幼なじみ・千堂八重(長濱ねる)と半年限定のウソの結婚生活を行いながら、素直になれない男心を見事に表現。前作とは全く違う、イケメン男子を演じました。
さらに、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』では、税金を取り立てる徴税吏員である饗庭蒼一郎を担当。おかたいイメージの徴税吏員ながら、ノリが良くてコミュニケーション能力が高い陽キャな市役所員を演じました。演技の幅の広さを見せつける結果となり、俳優としてさらに進化を遂げた形です。
『私たちが恋する理由』の黒澤智也がハマり役になりそうな理由
そして『私たちが恋する理由』ですが、今回も菊池さんの当たり役になることは間違いなさそうです。そもそも、菊池さんはここ最近の主演作は漫画か小説の原作ばかり。『私たちが恋する理由』も漫画原作ということで、キャラクターの理解度が高い菊池さんはしっかりと担当する黒澤智也を仕上げてきそうです。黒澤は感情をあまり表に出さない会社員で、はっきりと物事を言うので冷たい印象のキャラクター。クールな役は菊池さんのビジュアルにもぴったりですし、“笑ってはいけない”キャラクターとなる黒澤がハマりそうです。
また、恋の相手役は、モデルとしても人気の久間田琳加さん演じる森田葵で、正統派のかわいらしさをもつヒロイン。美人なのに責任感が強く弱音を吐くことが苦手で、高身長がコンプレックスとなり自信がない女性漫画のヒロインらしいキャラクターで、黒澤との相性も抜群そうです。
しかも、久間田さんがキャラクター作りのために行った断髪式では、菊池さんも髪のカットをお手伝い。この様子は公式SNSにて公開され、共演者としての絆をしっかり見せており、コンビネーションの良さを感じさせます。いい雰囲気で撮影が進んでいるようで、秋ドラマとして期待が持てそうです。
大人のムズキュンな恋が多く描かれる『私たちが恋する理由』で、菊池さんの新たな魅力を体感できる可能性が大。グループのオーディションも含め、“菊池風磨の快進撃”はまだまだ止まらなさそうです。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。