今回、お話をうかがったのは、日本在住歴4年のカンボジア人女性・サイさん(仮名)。カンボジアの首都、プノンペン出身です。
医療関係の勉強をするために来日したというサイさん。「カンボジアでの医療教育はまだ発展途上なので、日本での方が学べると思いました。スキルや知識を身につけたらカンボジアに戻りたい。カンボジアに帰ったら、大学で教育するなど、何らかの形で国に貢献したいと考えています」と話してくれました。現在は、医療分野のエンジニア職としての勉強をしているのだそうです。
「値段が高い」日本では簡単に手に入らない食べ物も
日本と出身国・カンボジアを比較したとき、文化や慣習で異なっていると感じた点を聞くと、「カンボジアでは両手で合掌(がっしょう)してあいさつしますが、日本ではおじぎをします」と、まずはあいさつの違いを挙げてくれました。食材についても大きな違いを感じたそうで「日本の米は形状が丸く、カンボジアの米は細長いです。どちらの米も好きですが、日本の米は値段が高いと感じます」と言います。
さらに、「日本は果物の値段もとても高いと感じます」とのこと。「カンボジアではいろいろなフルーツを日常的に食べます。私は特にリュウガンが好きなのですが、日本では乾燥したリュウガンしか売っていないので、生で食べるおいしいリュウガンを恋しく思います。また、ドリアンも好きで、カンボジアでは日常的に食べていましたが、日本のドリアンは値段が高いですよね。本当においしくて大好きなのですが、日本ではあまり食べられません」と続けました。
「フレンドリーではないけど、協力的」な日本人
日本人とカンボジアの人々とで異なっている点はあるか聞くと、「カンボジア人はフレンドリーだと思います。カンボジアの電車では、隣に誰かが座っていたら、まるで知り合いだったかのように話しかけてきます(笑)。日本人は静かで、よりパーソナルスペースを大事にしていると感じます」とのこと。また、仕事面では、「日本の場合は、上司より先に帰るのはよくないという風潮があると聞いたことがありますが、カンボジアではそんなことは一切ありません。先に帰ったからといって上司をリスペクトしていないというわけではありません」と話してくれました。
ただ、「日本人は、仲良くなるとたくさん話します。それに、初対面の人にはフレンドリーではないにしても、非常に協力的」とも感じたそうです。
最後に、サイさんが好きな日本語のフレーズを聞くと、「ありがとう」と回答。「ひと言で『ありがとう』と言っても、『どうも』とか『ありがとうございます』とかいろいろな言い方があるし、シンプルな言葉で好きです」と語ってくれました。