パリのスリ被害、「アジア人が特に狙われやすい」のは本当か。在住者も警戒する“巧妙な手口”とは
世界一の観光大国、フランス。首都パリは華やかなイメージがありますが、残念ながらスリ被害も多く報告されています。どんなシチュエーションでスリが発生しているのか、在住者が詳しくご紹介します。
「光の都」として知られるフランス・パリは、その美しいモニュメント、深い歴史、豊かな食文化により、旅行者にとって憧れの目的地であり続けています。国連世界観光機関(UNツーリズム)が発表した2023年の統計によれば、フランスを訪れた外国人観光客数は1億人を突破しました。
しかし、パリでは観光客を狙った軽犯罪も多発しています。中でもスリ被害が最も多く、スマートフォンや財布など、大切な物が「あっという間」に盗まれてしまいます。
スリの犯人は、「個人」でも「集団」でも動いています。特に集団はグループの1人が観光客に話しかけ、その間に他のメンバーが物を盗む……といった手口ですので、街を歩く際には十分な注意が必要です。
どんな場所がスリ被害に遭いやすい?
具体的に、どんな場所で狙われやすいのでしょうか。パリに在住する筆者から見たスリの頻発スポットは以下の通りです。
エッフェル塔やオペラ座など人気観光地
エッフェル塔、オペラ座、シャンゼリゼ大通り付近など、人気観光地はスリ被害が発生しやすいポイントです。しかも、犯人の多くは「若い女の子のグループ」。彼女たちは「道を教えてください」「署名に協力してください」などと言って観光客に近づいてくるのです。手口は、1人が話しかけ、他のメンバーがポケットに手を突っ込む……というお決まりのもの。「アンケート」「募金」といったお願いもスリの可能性が高いです。
地下鉄・電車の乗り場
地下鉄の乗車時、スマートフォンに気を取られていると、バッグから財布を抜き取られてしまうことがあります。これは「改札口」でも同様で、改札口が混雑していて通るスピードが遅くなると、その間にスッと抜き取られてしまうという手口です。スリ被害に遭わないための対策としては、公共交通機関ではスマートフォンをバッグにしまうこと、リュックやズボンのポケットには財布を入れないことなどがあります。
ATM付近
フランスのATM(銀行のキャッシュディスペンサー)は、屋内ではなく「外」に設置されています。こちらは集団というより個人で狙ってくるケースが多いので、暗証番号を含め盗み見られないよう、背後には十分な警戒を。夜間の利用も控えましょう。
カフェのテラス席
カフェのテラス席も狙われやすい場所です。日本のように、テーブルの上にスマートフォンを置いていると、それだけで「通りすがりのスリ」に盗まれてしまいます。また、「席を確保している」という意味で荷物を置きっぱなしにするのもNG。荷物を体から絶対に離さないことが鉄則です。