西武池袋線「大泉学園駅」には何がある? アニメ&特撮の聖地「東映」のお膝元、各停駅なのに充実した街

西武池袋線の駅内でも中堅どころの「大泉学園駅」。そもそも「大泉学園」ってどんな学園? 降りた先の街中には何があるの? など、この記事で詳しく紹介します。アニメと特撮で有名な「東映」もありますよ!

北側にはアニメキャラの銅像がずらり!

大泉学園駅は南口だけでなく、北口にもペデストリアンデッキが。南北のデッキは渡線橋でつながっているので、駅の南北は簡単に行き来ができます。
大泉学園の写真
ゲートの形は映画やアニメの「フィルム」をイメージしたもの
北口デッキ上にあるのが、こちらのモニュメント「大泉アニメゲート」。『鉄腕アトム』銀河鉄道999あしたのジョー』うる星やつら』など、数々の懐かしいアニメキャラの銅像が並んでいます。
大泉学園の写真
説明プレートの右にいるのは、練馬区公式アニメキャラクター「ねり丸」くん
実は大泉学園周辺の地域は、現在まで続く日本のアニメーション産業が誕生した地でもあります。1958年に、日本初の劇場用長編アニメ『白蛇伝』が制作されて以降、令和の今に至るまで膨大な数のアニメ作品がこの街から誕生しました。大泉学園には現在も「東映アニメーション」が主要拠点を置いています。
大泉公園の写真
田園風景の中にポッカリと浮かぶ映画撮影所……と想像するとノスタルジーを感じられます
また、デッキの壁面には東映と大泉学園の歴史を伝える白黒写真のパネルが並んでいます。今でこそすっかり宅地化された大泉学園にも、昔は田園や農村があったのでしょうね。
大泉公園の写真
ご年輩の人は、よーく見てみると「この映画、見たことある!」となるのでは
東映撮影所で過去に制作された映画のパネルもありました。『網走番外地』トラック野郎』といった有名作品から、中には『陸軍残虐物語』なるギョッとするようなタイトルも。現在では撮影も公開も難しいのでは? と思うような、昭和ならではのおどろおどろしさ&ギラギラ感に満ちた名作たちです。
大泉公園の写真
モールというよりは公共施設に近い、昔ながらの雰囲気
北口デッキに直結している施設も複数あります。こちらの「大泉学園ゆめりあ1」「ゆめりあホール」は南口のゆめりあフェンテと同様、かなり以前から大泉学園駅の周辺を彩っていた複合施設。施設内にはギャラリーもあります。
大泉公園の写真
こちらはタワマンの低層階がショッピングモールという、いかにも近年のメジャーな施設
もう1つ、北口とつながっている複合施設が、こちらの「グランエミオ大泉学園」です。「エミオ」は西武池袋線を所有する西武グループが運営する駅直結のショッピングモールで、西武池袋線沿線に複数あるほか、JR中央線と西武多摩川線の乗り入れる武蔵境駅にもあります。
大泉公園の写真
隣の石神井公園駅ではエミオが複数の棟に分散していたのに対し、こちらのグランエミオはタワーマンションと合体した一点豪華主義。ファストフード「フレッシュネスバーガー」、雑貨の「ロフト」、食品・スーパーの「成城石井」「カルディ」など複数の店舗が入っています。
大泉公園の写真
木陰に隠れて仲むつまじい若い男女や、本社(もしくはお得意先?)に電話中のサラリーマンの姿も
グランエミオ4階には屋上庭園も整備されています。屋上からの風景は絶景とまでは行かずとも、開放感はなかなかのもの。ベンチ席や立ったまま利用できる屋外デスクもあるので、気温と天気がよければ軽作業にもよさそうですね。

北野神社の意外すぎる由緒

大泉学園駅北口のすぐ近くには、地域で親しまれる「北野神社」があります。そこで、そちらの方向へデッキを降りてみることにしました。
大泉公園の写真
こういう所にこそ安くておいしい地元の名店が……というイメージがあります
駅北口から北西向きの地区は低層の建物が並び、ちょっとした飲み屋横丁のようになっています。つけ麺屋やすし屋、スナックやパブなどが多く、こうした所の香りに惹きつけられる人も多そうです。
大泉公園の写真
北野神社(画像出典:PIXTA)
その先にあるのが、こちら「北野神社」。江戸時代の初期に創建と伝えられる神社で、現在は平安時代の政治家・菅原道真公を御祭神としています。菅原道真公は太宰府に左遷されて没後に怨霊と化した伝説で有名ですが、その一方で天満天神として信仰を集め、特に学問・学業の神様として崇敬を集めています。学問ということで大泉「学園」にはぴったりですね!

しかしその菅原道真公、実はこの神社における元来の神様ではないのです。この北野神社では当初、法華経(日蓮宗)の三十番信仰(1カ月=約30日の日替わりで神様が来るという神仏習合の思想)に基づいて「三十番神」が祭られていました。しかし明治になると仏教と神道を分離させる運動が起こり、神仏習合の三十番神様の代わりに、新しく菅原道真公が祭神になることに。神様の世界にもこのような“抜てき”あったとは、驚きですね……!
大泉公園の写真
北野神社の本殿。このすぐ横は小学校とつながっています(画像出典:PIXTA)
なお、この神社は地域の小学校と隣接。取材したのは平日の夕方頃ですが、下校中の子どもたちが帰り際に神社の本殿に一礼している風景がありました。菅原公も、おそらくは三十番神様も、令和の世まで信仰が息づいていることにはお喜びなのでは。

年季の入った商店街も

大泉公園の写真
商店街の外周部分。夕方近いこともあって買い物客と思しき人が往来していました
北野神社を後にして少し駅前に戻った先は「東大泉仲町銀座商店街」。1979年の第二次オイルショック後に地域商店の売り上げが減少し、その対策として1981年に組合が発足したそうです。現在は年2回の売り出し行事や清掃活動など、さまざまな取り組みをしています。
大泉公園の写真
ダンスやヨガに励む前に野菜が買えて便利!
店舗はチェーン店から個人経営店までさまざま。昔ながらの青果店の上階に、ダンスやヨガなどのスタジオが入っていたりと、地元商店街ならではの新旧混然とした場所もあります。
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