今回は、日本在住歴10年のアメリカ人男性に話を聞きました。
ハワイは、日本とアメリカの中間。どちらに移住するか迷ったが……
インタビューに応じてくれたのは、アメリカ・ハワイ州出身のBさん(仮名)。2014年から日本に在住していると言いますが、そもそも来ることになったきっかけは何だったのでしょうか。「出身はハワイのラナイ島という所です。現地のリゾートで働いていましたが、世界中からいろんな観光客が訪れるのを見ていて、このままここにいたら“変化がない人生になる”と気付いたんです。ハワイは、ちょうどアメリカ本土と日本の中間に位置しており、移住先をどちらにするか迷いましたが、当時のアメリカは特に治安の問題や不安定な情勢が目立っていたので、日本に来ることを決めました」
来日後は、友人の紹介を受け英会話教室で働き始めたとのこと。その後、日本人女性と結婚し、現在では3児の父として子育てや仕事にまい進しているそうです。
台風で驚いた「雨水の清潔度」
そんなBさんに日本の好きなところを聞いてみると「とにかく、便利であること」だと言い、特にネットショッピングなどの宅配について「朝注文したものが、その日のうちに届くというのも素晴らしいです」と語ってくれました。また、「どの街も清潔できれい」であることを挙げ、このように続けました。
「例えば、台風で地下鉄駅の階段に雨が流れ込んでくることがありますよね。その時に、流れてくる水がきれいで驚くんですよ! え、ここは東京なのに!? と」
まさか「雨水」にそのような驚きがあるとは……! 大雨が降っても地面に流れる水にゴミや濁りがほとんど紛れ込んでいないというのは、日本ならではの光景なのかもしれませんね。
その他、日本食についても聞いてみると「最高。焼肉やしゃぶしゃぶ、マグロやトロなどのすしが大好きです。ハワイの食事は全く恋しくないですね(笑)」と話してくれました。
最初からある程度の日本語を話せていないと、就職できない
一方で、日本のネガティブな特徴についても聞いてみると、「ビジネスの文化」だと明かし、「何か物事を決定するのに、上層部の承認が必要。すぐに行動したくても上の許可が下りるのを待つしかなく、自由に動けないところは、良くも悪くも古い慣習だと感じます」と、社会の特徴を挙げてくれました。また、「日本の就職で求められる言語能力(日本語スキル)はとても高く、仕事を探すのが難しい」ともいい、「アメリカでは、多少英語が話せればOKで、働きながら徐々に学んでいけばいいという考え方ですが、日本では最初からある程度の日本語を話せていないと就職できない」と、両国の違いを教えてくれました。
日本語は、多言語と比べても習得が難しいといわれています。そのような理由から、特にビジネス面において苦労を感じてきたようです。