アラサーが考える恋愛とお金 第31回

「情弱すぎない?」都知事選で露呈した恋人の価値観。投票予定だった候補者の悪口をまくし立てられ

7月7日に行われた東京都知事選挙の投票率は60.62%。選挙離れが進む20~30代の投票率アップも見られた今回の都知事選だが、アラサー女性からは「選挙で恋人と価値観の違いが露呈した」という声も上がっている。

都知事選で恋人との価値観の違い
選挙で恋人と価値観の違いが露呈した
7月7日に行われた東京都知事選挙の投票率は60.62%で、前回(4年前)を5.62ポイント上回る結果となった。今回の都知事選では、SNSを駆使してPRする候補者も多く、選挙離れが進む20~30代の投票率アップにもつながった。しかし、アラサー女性からは「選挙で恋人と価値観の違いが露呈した」という声も。

「情弱すぎない?」恋人に、選挙で投票予定の候補者を聞かれ……

「都知事選で『誰に投票するか』で彼とけんかをしました」

こう語るのは瑠奈さん(32歳/仮名/会社員)だ。

瑠奈さんには交際して半年になる恋人・孝典さん(32歳/仮名/会社員)がいる。都知事選まであと数日となったある日、突然、孝典さんが「瑠奈、誰に投票するの?」と聞いてきたという。

「私は『え~〇〇さんかな』と答えました。そしたら孝典は『え? 本気で言ってる!?』と驚いた表情をして。さらに『瑠奈、情弱(※情報弱者)すぎない? 〇〇(別の候補者)に入れて!』と言ってきたんです」

普段は温厚だった孝典さんの発言に瑠奈さんはとても驚いたという。

「突然、情弱と言われてビックリしましたね。孝典はSNSを使って候補者の情報を集めていたようでした。私は私なりに、テレビのニュースを見て『この人に入れよう』と決めていたので、孝典に『ニュースを見てこの人の〇〇の政策がいいと思って』と自分なりの理由も話しました。でも、これがいけなかった。孝典は『瑠奈ってそんな浅はかな考えだったの?』ってさらにヒートアップしたんです」

その後、孝典さんは、自身が支持する候補者について熱く語りだし、瑠奈さんが投票しようとしている候補者に関しての悪口を話し始めたという。

「別に彼がどんな政治思想を持っていてもいいんです。でもそれを私に押し付けてくるという点があまりにも幼稚だと思いました」

「自分の価値観をまるごと否定された気がした」

さらに、孝典さんは「今の政治家は老害が多い」「日本を一度壊して、根本から変えなければ」など過激な発言を続けたといい、瑠奈さんは「付き合って半年しかたっていませんが、彼の価値観が露呈したような気がした」と語る。最終的に瑠奈さんと孝典さんは言い合いのけんかに発展した。

「私は恥ずかしながら20代の頃は選挙に行ったことがありませんでした。でも30代になって自分の価値観が少しだけ見えてきた。それもあって、やはり選挙には参加しよう、賛同できる候補者に投票しよう、という気持ちになって、初めて投票したんです」

今回の都知事選で、瑠奈さんは初めてテレビや候補者のWebサイトをチェックし政策を見比べ、自身の思想や価値観に近い候補者は誰か、真剣に考えたという。

だからこそ、自身の意見を孝典さんに一方的に否定されたことに関して「自分の価値観をまるごと否定された気がした」という。

瑠奈さんはこの一件で、「孝典との付き合い方を考えたい」と語る。

「デート中の政治トークは嫌だ」は35%

瑠奈さんたちのように、政治の話題は意見が対立することもあり、恋人と日常で話しづらい話題のように思える。政治に関する話をカップルでする人たちはどのくらいいるのだろうか。

KADOKAWAが運営する男性の恋活・婚活をサポートするサイト「NOVIO」が20~30代の女性100人を対象に「デートで政治の話をするのはありかなしか」を調査したところ、「デート中の政治トークは嫌だ」と答えた女性は全体の35%だった。意外にも6割の女性が政治の話に抵抗がないものの、「政治関連の話はエスカレートするとお互い否定につながるのであまりしたくありません(33歳/商社・卸売業)」などの声も見られた。

20代の頃に比べ、自身の価値観が成熟していく30代。「選挙で誰に投票するか」という会話は、相手の価値観や思想を知るいいきっかけとなることもあるだろう。しかし、瑠奈さんのケースのように、それがエスカレートすれば、相手の否定につながる可能性もある。

自身の価値観が定まってきた大人の恋愛関係こそ、互いの価値観を否定せずに尊重し合いたいものだ。

※回答者のコメントは原文ママです

この記事の筆者:毒島 サチコ プロフィール
ライター・インタビュアー。緻密な当事者インタビューや体験談、その背景にひそむ社会問題などを切り口に、複数のWebメディアやファッション誌でコラム、リポート、インタビュー、エッセイ記事などを担当。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • どうする学校?どうなの保護者?

    「PTAがないと保護者は学校や行政に要望できない」はホント? 思い込みが要望の実現を妨げる例も

  • 「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン

    「身長が193センチあるので……」日本大好きなニュージーランド人が、日本の電車で困っていることは?

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    国鉄特急を回顧する写真展を鉄道博物館で開催! 今はなき「絵入りトレインマーク」も展示

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『先生の白い嘘』のインティマシー・コーディネーター不在を改めて考える。「入れれば万事OK」ではない