#37はNewJeansの日本デビュー曲『Supernatural』からK-POPの原点を探る回! 再び脚光を浴びている音楽ジャンル「ニュージャックスウィング」、そして今のK-POPの土台を作った“第1世代”グループの存在についてお話ししていきます。
【前回の記事「『こんなことを言ったら叱られるかもしれませんが』 ミン・ヒジン VS HYBEを見て20代編集者が思うこと」(#36)はこちら】
NewJeansの新曲がSMAPをほうふつとさせると話題に
編集担当・矢野(以下、矢野):ゆりこさん、先月末に東京ドームで行われたNewJeansのファンミーティングに行かれたんですよね? いかがでしたか?
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):「NewJeans Fan Meeting 'Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome'」は2日間、皆勤賞です。これまでのK-POPのファンミーティングとは一味違い、通訳も司会もゲームもなし。新鮮でしたし、純粋に音楽ライブとして楽しめました。
矢野:僕はチケットが入手できず……日本デビュー曲を聞きながら家で留守番していました。そこでSNSを眺めていたら『Supernatural』がSMAPをほうふつとさせるという投稿を目にしたんですよ。ゆりこさんはどう感じましたか?
ゆりこ:私は物心ついたときからSMAPの曲に親しんでいた世代なので、言われてみるとそうかも!と思いました。あと昔のDA PUMPとか。1980年代後半から1990年代初頭にアメリカで流行して、その後J-POPにも影響を与えた「ニュージャックスウィング」という音楽ジャンルの話につながるのですが。
バンドメンバーとして活動する傍ら、プロデューサーとしても頭角を現したテディー・ライリーが中心となって発生したブラックミュージックの一種。ヒップホップとR&Bを融合させたビート、細かく跳ねるグルーブが特徴。テディー・ライリーがプロデュースしたボビー・ブラウンの1988年作『Every Little Step』のヒットなどで広く知れ渡った。以降、このビートを取り入れるアーティストやプロデューサーが急増した。
参考:Apple Music「ニュージャックスウィング ベスト」
矢野:ではそのニュージャックスウィングは日本から韓国へ広まったのでしょうか、それともアメリカから直接? NewJeansの新曲はかつてのJ-POPから影響を受けたものだと思いますか?
ゆりこ:正直なところ、ニュージャックスウィングが日本で流行した時代は私もまだ子どもでしたし、当時の韓国の状況も見ていないので断言できないです。だからこそ知りたくて、韓国の報道を中心にいろいろ探ってみました。すると興味深い記事が見つかりました。NewJeansの『Supernatural』がH.O.T.やS.E.S.など、いわゆるK-POP“第1世代”グループをほうふつとさせるという内容なんです。
矢野:韓国では自国の昔のアイドルに似ていると言われているということですね。つまり、韓国でもかつてニュージャックスウィングを取り入れたアーティストはいたのですね。
ゆりこ:はい。ある年代以上の日本人がSMAPを思い出したように、韓国人はH.O.T.、S.E.S.を懐かしんだ模様です。育った国や世代によって脳裏に浮かぶアーティスト、曲はまちまちなのかもしれません。アメリカの中高年が『Supernatural』を聞けばボビー・ブラウンを思い出すでしょうし、若者はブルーノ・マーズのほうがピンとくるかもしれない。