
転売することで、いったいどんな問題があるのかを「All About」フリマアプリ・ネットオークションガイドの川崎さちえが解説していきます。
(今回の質問)
メルカリの転売はそんなに悪いことなのでしょうか?
(回答)
メルカリで問題になる転売は、買った値段以上の価格で売る行為のこと。異常に値段が高くなっていると問題視されてしまいます。でも転売の根本的な問題は価格ではなく、買い占めなどの行為にあると筆者は考えます。
以下で詳しく解説していきます。
「安く買って高く売る」がビジネスの基本
買い取った価格以上で人に売り渡すことを「転売」の定義とするのであれば、それはビジネスの基本と言えるでしょう。儲けを出すなら、買った値段と同じ、あるいは安く売っていてはビジネスになりません。ただメルカリで問題になる「転売」は、基本的には高額で売ることを言います。チケットの転売の件もそうですが、正規の価格の何倍、何十倍で売ろうとするから他のユーザーから批判され、社会問題にもなってしまったのです。
他の人が転売で儲けるのが許せないという気持ち
転売をするユーザーを見ている人にとっては、複雑な心境になるのでしょう。正規の価格を知っていると余計にそうですが、転売しているユーザーが大きな利益を得るのが許せないと思えてしまうのです。ここはひがみに近い部分もあるのでしょうが、いとも簡単に利益を出していると思うと、なんだか腑に落ちないのも理解はできます。
転売の問題は「買い占め」
転売がこれだけ問題になるのは、一部の人が大量に買い占めてしまうことが根底にあります。以前京都で数量限定で販売された人形が1人に買い占められてしまい、転売されたことが問題視されました。買った価格よりも高く売られるのも許せないですが、それ以上に本当に欲しいと思っていた人が買えなかったことが大きな問題です。
これはチケットやショップの人気商品なども同じ。本当のファンが正規の値段で買えないということが、転売を悪とする本当の理由なのではないでしょうか。
相場に合わせた出品をした方がいい場合も
以前買った商品の価値が上がってしまい、たまたま相場が上がっているというならば、今の相場に合わせた販売価格で出品した方がいいです。例えば高級ブランドの腕時計やブランドのアクセサリーなどは価格がどんどん上がっていますから、今の基準で考えましょう。そのような場合は、他のユーザーも転売だからダメ! とは言わないでしょう。
転売が悪いとされる根本的な理由を理解しつつ、相場に合わせて出品することが大切になってきます。またメルカリはファーストリテイリングやポケモンなどと高額転売に関する包括連携協定を結んでいますから、購入する側も注意する必要があります。
この記事の筆者:川崎 さちえ
ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年。NHK『あさイチ』をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。