夏のエアコンは何℃に設定するのが正解? 「28℃」に根拠はあるんですか?【家電ライターが解説】

夏のエアコンは何度に設定するべきなのか、省エネと快適さを両立するにはどのような使い方をすればよいのか、家電ライターのコヤマタカヒロが解説します。

夏のエアコン設定温度、正解は?
夏のエアコン設定温度、正解は?
夏にエアコンを使う際、迷うのが温度設定。極力快適に過ごしたいけど、電気代がかかるのは避けたい……なんて場合には、どのような設定が最適なのでしょうか。

「All About」ガイドで、白物家電やデジタルガジェットに詳しく、企業のPR戦略やPR支援も行うコヤマタカヒロが回答します。
 

(今回の質問)
夏のエアコンは何度に設定すればよいか知りたいです。また、よく「28℃」と聞きますが、どのような根拠があるのでしょうか?

(回答)
エアコンの設定温度ではなく、室温を意識し、「涼しく感じる環境づくり」をしましょう。多くの場合には室温が26℃前後・湿度が50%前後になると快適に過ごせます。また、「28℃」という基準はビル管理法の室温基準の上限からいわれた数値だとされています。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

室温「28℃」では快適に過ごせない

長い間、 「省エネのために、冷房の設定温度を28℃にしましょう」と言われていました。 この話にはさまざまな誤解があるようです。「28℃」というのは、1970年に定められた「ビル管理法」の室温基準の上限からいわれた数値だとされており、快適に過ごせる室温設定ではありません。

また、 クールビズが推奨されたときにも、この「28℃」が一人歩きしたようです。ですが、そもそも「エアコンの設定温度」を28℃にすればよいのではなく、「室温」が28℃以下になるようにする必要があるのです。というのも、 部屋の向きや日差しなど環境によって実際の室温や感じ方が大きく変わってくるため、エアコンで設定した温度になるとは限らないためです。

重要なのは「涼しく感じる環境づくり」

とはいえ、室温設定を下げていくと 消費電力も高くなります。省エネと快適さを両立したいのは誰もが考えるところだと思いますが、その際に重要なのが、人が涼しく感じる環境作りです。例えば28℃設定でも風が循環していれば、涼しく感じられます。また、湿度が下がれば不快指数も下げられます。

エアコンの種類や部屋の大きさ、 外的環境によって異なるため、一概に何度に設定すればよい、というのは言えませんが、 設定温度を下げるのではなく、まずは、風量を上げたり、サーキュレーターなどを併用することで、部屋の空気の循環を促しましょう。それでも部屋が冷えない場合、1℃ずつ設定温度を下げて、ベストな温度を探すのがおすすめです。

強い日差しが入る部屋の場合には、日中はカーテンを閉めるようにするのもおすすめ。筆者宅では夏場だけ天窓をカーテンでふさいだところ、冷房がしっかり効くようになりました。

また、 湿度の高い梅雨時期などはエアコンで温度を下げるより、湿度を下げた方が快適に過ごすことができます。このため、除湿機などを活用するのがおすすめです。ただし、エアコンの除湿運転の中には、 通常の冷房よりも電気代が高くなる方式もあるので注意が必要です。

多くの場合、室温が26℃前後で湿度50%前後になると快適に過ごせます。それぐらいの温度・湿度になるよう、調整しましょう。
 
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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