1986年5月27日、シリーズ第1作である『ドラゴンクエスト』が発売されたことにちなんで制定されました。
今回は、ドラゴンクエストというタイトルを名付けた理由など、違いの分かる人になれるドラゴンクエストの豆知識をご紹介します。
「ドラゴンクエスト」と名付けた理由は?
『ドラゴンクエスト』というタイトルを考案したのは、シナリオ・ゲームデザインを担当した堀井雄二さん。かつて師事していた作家の小池一夫さんの「タイトルには易しい言葉と難しい言葉を組み合わせるといい」「タ行に濁音をつけるといい」という教えに従い、ドから始まり誰でも知っている「ドラゴン」と、当時はあまりなじみのない言葉だった「クエスト」を組み合わせたそうです。
ちなみに同名のテーブルトークRPGが既にあるために海外版は当初『Dragon Warrior』というタイトルで販売されていましたが、『VIII』以降は日本版と同じ『Dragon Quest』になっています。
1番売れたタイトルはシリーズ9作目の『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』
ドラクエシリーズのナンバリングタイトルで、ダウンロード版や移植・リメイク版を含めずに、最も販売本数が多かったのはどの作品かご存じでしょうか。正解は、2009年に発売されたシリーズ9作目の『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』。
それまでのシリーズで積み上げてきた人気はもちろん、携帯機であるニンテンドーDSでの発売、ソフト1つにつきセーブデータが1つだったこともあり、発売から5カ月で415万本を突破、全世界累計売上は約550万本とされています。
ちなみに2位は『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』で約490万本(2004年発売・PlayStation2)、3位は『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』で約410万本(2000年発売・PlayStation)となっています。
フローラのデザイン原案は鳥山明先生ではない
ドラゴンクエストの人気タイトルといえば、シリーズ初の3DCGアニメ映画の原案にもなった『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(1992年発売・スーパーファミコン)。作品中で多くのプレイヤーを悩ませたのが結婚相手を選ぶイベント、俗に言う「ビアンカ・フローラ問題」です。
幼なじみのビアンカか、大富豪の娘のフローラか。のちのリメイク版で花嫁候補は増えましたが、初代ではこの2人のどちらかを選ばなくてはいけませんでした。
「ビアンカとは一緒に冒険した思い出がある」「フローラは大金が貰えるしイオナズンが使える」などと悩んだ末に「鳥山明の描いたキャラクターがかわいかったから」と見た目の好みで選んだという人も多いでしょう。
しかし、実はフローラの方は鳥山明先生のデザインではありません。制作当時、多忙だった鳥山先生の原画がなかったため、開発元のチュンソフトに勤めていたくりからはづきさんが急きょデザインすることになったそうです。
シナリオの堀井さんも「みんなふつうはビアンカを選ぶだろうと思っていた」と語り、パッケージや説明書に描かれているのもビアンカの方だけですが、まさかフローラはデザイン原画すら用意されていなかったとは……!
でも今考えると、デザインが別の人だったからこそ、フローラにはビアンカとは違う魅力が宿り、論争がここまで盛り上がる要因の1つになったのかもしれませんね。
あなたはビアンカ派、それともフローラ派? この機会に、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。