ビジネスメールの「ご無沙汰しております」とは? 目上の人への使い方や例文を解説

「ご無沙汰しております」というフレーズは、ビジネスシーンでもしばしば見聞きすることがあります。この記事では、現役フリーアナウンサーの新保友映が、「ご無沙汰しております」の意味や目上の相手への使い方について、例文を交えて紹介しています。

ビジネスメールの「ご無沙汰しております」とは? 目上の人への使い方や例文を解説
ビジネスメールの「ご無沙汰しております」とは? 目上の人への使い方や例文を解説

しばらく連絡を取っていなかった相手にメッセージを送る時、「ご無沙汰しております」という挨拶から始める、という人は多いのではないでしょうか。比較的身近なフレーズですが、正しい使い方を把握できている人は少ないかもしれません。今回は、現役フリーアナウンサーの新保友映が、「ご無沙汰しております」の意味や目上の人への使い方を詳しくご紹介します。

<目次>
「ご無沙汰しております」の意味と読み方
「ご無沙汰しております」は目上の人に対して使える?
目上の人から「ご無沙汰しております」と言われた場合の返信方法
場面別の「ご無沙汰しております」の目上の人に対する使い方・例文
「ご無沙汰しております」を使う際の注意点
目上の人にも使える「ご無沙汰しております」の類語・言い換え表現
「ご無沙汰しております」の英語表現
まとめ

「ご無沙汰しております」の意味と読み方

まずは、「ご無沙汰(ごぶさた)しております」の意味をチェックしていきましょう。

意味(1)久しぶりに連絡を取る人への挨拶の意味

「ご無沙汰しております」は、しばらく連絡を取っていなかった人への挨拶としての意味合いがあります。口頭、文書を問わず、慣用的に用いられる定番の挨拶です。

意味(2)長らく連絡をしていなかった不義理を詫びる意味

「ご無沙汰しております」の「無沙汰」は、「長い間連絡や訪問がないこと」を意味します。「便り・知らせ」を表す「沙汰」に、打ち消しの意味を持つ「無」をつけた言葉です。そのため、「ご無沙汰しております」には、「長い間連絡をしていなくて申し訳ありません」と、不義理を詫びるニュアンスも込められています。

「お世話になっております」との違い

「お世話になっております」は、ビジネスでは定番の挨拶です。「いつもありがとうございます」という意味合いが含まれており、普段から交流ややりとりのある相手に対して用います。「日頃の感謝を伝える」シーンで使われるという点は、長らく連絡を取っていない相手への挨拶である「ご無沙汰しております」との大きな違いであると言えます。

「お久しぶりです」との違い

「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」は、ほぼ同じ意味の言葉ですが、「ご無沙汰しております」のほうがより丁寧なニュアンスがあります。丁重な挨拶が求められるシーンでは、「ご無沙汰しております」を用いるほうが望ましいでしょう。

関連記事:【例文あり】正しいビジネス敬語とは? メールの言い回しや間違いやすい使い方を解説

「ご無沙汰しております」は目上の人に対して使える?

「ご無沙汰しております」は、目上の相手に用いても問題ないのでしょうか。続いては、目上の相手に使う場合のポイントを解説します。

目上の人に対しても使える

「ご無沙汰しております」は、自分をへりくだる表現であるため、目上の相手に対して使用しても問題ありません。「無沙汰」に接頭語「ご」と「~する」をつけて謙譲語とし、さらに「いる」の謙譲語である「おる」を合わせて自分の立場を低くすることで、相手への敬意を表しています。

「ご無沙汰しております」の後に自己紹介をつけるとより親切になる

「ご無沙汰しております」と挨拶すべき相手であれば、やりとりの頻度はそれほど多くないと言えるでしょう。ビジネスでは、日々さまざまな人との交流があるため、相手が自分のことを思い出しやすくなるよう、簡単な自己紹介や、会った時のエピソードなどを添えると親切です。例えば、「◯◯の会場にてご挨拶させていただいた□□です」「〇〇の際はお世話になりました」といった一言を加えておくと、やりとりがスムーズになるでしょう。

「ご無沙汰です」などの省略形は失礼に当たる

先述したように、「ご無沙汰しております」は、「ご~する」と「おります」によって謙譲のニュアンスを表現しています。そのため、「ご無沙汰です」などと一部を省いて短くすると、へりくだる意味合いが失われてしまいます。相手に対して失礼な言い回しとなるため、省略せずに用いましょう。

目上の人から「ご無沙汰しております」と言われた場合の返信方法

では、目上の人から「ご無沙汰しております」と言葉をかけられた場合、どのように返せばよいのでしょうか。

同じく「ご無沙汰しております」と返すのが一般的

「ご無沙汰しております」の声かけには、「こちらこそご無沙汰しております」と返すことが一般的です。次にご紹介するような一言を添えると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。

「お変わりありませんか」など気遣いを添えると親切な印象になる

「お変わりありませんか」「暑い日が続きますがお元気でお過ごしですか」など、安否を尋ねる言葉を添えてもよいでしょう。相手への思いやりを示すことができ、好印象を持ってもらえます。

簡潔に近況を付け加えるとより丁寧になる

文書でのやりとりであれば、簡単に近況を付け加えるのもおすすめです。「忙しいですが、充実した日々を過ごしています」など、相手との関係性を考慮しつつ、丁寧に気持ちを伝えましょう。

場面別の「ご無沙汰しております」の目上の人に対する使い方・例文

ここからは、シーン別の「ご無沙汰しております」の使い方を、例文を交えてご紹介します。

同僚や上司に対するメールでの例文

長らく職場を離れていた人が復帰する場合、同僚や上司に対して「ご無沙汰しております」を使うことがあります。

【例文】
ご無沙汰しております。◯◯です。昨年△月より産休・育休をいただいていましたが、本日より復帰することになりました。

取引先とのビジネスメールでの例文

取引先の担当者に久しぶりにメールを送る場合、「ご無沙汰しております」から始めると好印象です。

【例文】
長らくご無沙汰しております。昨年、セミナーでご一緒させていただきました◯◯と申します。

同窓会での例文

続いては、同窓会で恩師と再会した時の挨拶例をご紹介します。

【例文】
先生、ご無沙汰しております。お元気でいらっしゃいましたか。

結婚式での例文

結婚式を挙げることが決まり、古い友人や親戚に連絡する時の「ご無沙汰しております」を使った例文をご紹介します。

【例文】
大変ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。実はこのたび、結婚することになりました。結婚式は、◯月×日に、△△で行う予定です。

「ご無沙汰しております」を使う際の注意点

「ご無沙汰しております」というフレーズは、シーンや相手を問わず用いることができますが、使い方にはいくつかのポイントがあります。失礼な言い回しにならないよう、注意点を押さえておきましょう。

2~3カ月以上連絡していない場合に使う

「ご無沙汰しております」は、一定期間連絡を取っていなかった相手に対して用いるフレーズです。目安として、2~3カ月以上会っていない、メッセージなどのやりとりをしていない場合に使うことが望ましいでしょう。それ以上の期間が空いているケースであれば、「長らくご無沙汰しております」「大変ご無沙汰しております」と付け加えるのもおすすめです。

「お世話になっております」との併用はできない

先述の通り、ビジネスメールの定型句である「お世話になっております」は、日常的にやりとりがある、あるいは定期的に顔を合わせる相手への挨拶文です。そのため、長い間連絡ができなかったことを詫びる「ご無沙汰しております」と並べて用いると、違和感が生じる可能性があります。

「ご無沙汰」の主語を相手にしない

「ご無沙汰しております」は、「なかなか連絡ができなかった」という自分の行為についてへりくだるフレーズです。「ご」がついているから尊敬表現なのでは、と考える人もいるかもしれませんが、「ご無沙汰しております」というフレーズ全体で謙譲表現として成り立っていることに注意しましょう。「ご無沙汰でしたが、お変わりないでしょうか」や「ご無沙汰の中、ご連絡いただき恐縮です」といった使い方は誤りです。

目上の人にも使える「ご無沙汰しております」の類語・言い換え表現

ここからは、目上の人にも使える「ご無沙汰しております」の言い換え表現をご紹介します。

類語(1)お久しぶりです

「お久しぶりです」は、長らく会っていなかった、やりとりのなかった相手に対する、ポピュラーな挨拶です。「ご無沙汰しております」よりもフランクな言い回しではありますが、丁寧な表現であるため、目上の相手に対して使っても問題ないでしょう。親しくしている先輩や、互いをよく知っている取引先など、「ご無沙汰しております」では他人行儀だなと感じる場合は、「お久しぶりです」を使うほうがよいかもしれません。

類語(2)不義理をお許しください

「不義理をお許しください」は、礼節を欠いた行為を詫びる時に使うフレーズです。「不義理」には、「人として守るべき道を外れる」「やるべきことを全うできていない」といった意味があります。「不義理」が指す内容は文脈によって変わりますが、この場合は「何らかの事情で長期間にわたって連絡できなかったこと」を指します。謝罪のニュアンスが強いため、使うシーンは限られてくるでしょう。

「ご無沙汰しております」の英語表現

最後に、英語表現の「ご無沙汰しております」についてご紹介します。

フォーマルな表現:I haven't seen you for a long time.

「I haven't seen you for a long time.」は、「久しくお会いしていませんね」という意味です。「ご無沙汰しております」に近い、かしこまったニュアンスがあります。「How have you been?」など、会わなかった間の様子を尋ねる言葉を続けてもよいでしょう。

カジュアルな表現:Long time no talk.

「Long time no talk.」は、「久しぶりだね」という意味があります。先述した「I haven't seen~」よりもくだけた表現で、英語圏ではよく使われる言い回しです。友人や仲の良い同僚など、親しい間柄の相手に対して用いることが一般的です。

まとめ

「ご無沙汰しております」の意味や使い方についてご紹介してきましたが、理解を深めていただけましたでしょうか。もちろん、ビジネスシーンで「お久しぶりです」を用いても問題ないですが、フォーマルな表現を知っておくことで、相手を敬う気持ちを伝えられるでしょう。相手を気遣う一言を付け加えたり、過去に交流した時のエピソードを添えたりすると、さらに好印象です。ぜひ、ビジネスでのコミュニケーションに役立ててみてください。

■執筆者プロフィール
新保友映
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。『オールナイトニッポンGOLD』のパーソナリティをはじめ、『ニッポン放送ショウアップナイター』やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。
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