中国には「塩味」という概念がない? 中国人が衝撃を受けた「日本のポテトチップスの味」とは

日本に住む外国人は、日本のどんな文化や風習に驚きを感じるのでしょうか。中国人の女性に、衝撃を受けた日本のお菓子について聞いてみました。

日本で衝撃を受けたお菓子
中国人女性が、日本で衝撃を受けたお菓子とは!
出入国在留管理庁によると、2023年末までで集計した在留外国人数(永住者や中長期在留者)は341万992人で、過去最高を更新しました。また、その中でも中国人は82万1838人と、最も大きい割合を占めています。

外国人から見た日本とはどんな国なのでしょうか。好きな日本食、出身国との文化の違いなど、日本に住む外国人が日々感じる“日本のあれこれ”を聞いてみました!

日本のアニメやドラマで覚えた『こんにちは』『すみません』

今回お話をうかがったのは、中国・内モンゴル自治区出身のオウさん(仮名)です。

オウさんは、2012年の秋から日本に在住。日本語学校で日本語を学びながら試験勉強を行い、日本の大学院に進学したといいます。

「大学院への進学を考えた時、イギリスなどの英語圏の国も検討しましたが、日本を選びました。理由はいくつかありますが、例えばイギリスでは1年制の大学院が多いのに対し、日本の大学院は基本的に2年制なので、学ぶ時間が長い方が異文化体験がより豊富かもと感じたんです」

中国にいたときから、日本のアニメやドラマなどが好きだったというオウさん。中国では、日本のアニメやドラマから日本語の簡単なあいさつを覚える人も多いのだそうです。

「日本語の中でも、例えば『元気?』『こんにちは』『すみません』『大丈夫』などは知っている人が多いです。でも、やはり日本語でちゃんとコミュニケーションをとることは難しいです! 尊敬語や謙譲語などが特に難易度が高いですね」

そのほか、日本のビジネスメールの丁寧さなどにも、驚きを感じたといいます。

中国には「塩味」という概念がない?

そんなオウさんに、衝撃を受けた日本の食べ物について聞いてみました。

「衝撃だったのは、ポテトチップスの“塩味”です。ポテチって、基本的には全ての味がしょっぱく、塩味がベースになっていますよね。なのに、どうして塩味は“1つの味”になるのかが疑問だったんです。コンソメ味だって、本当なら『コンソメ+塩』なはずですよね。でも、実際の商品は『コンソメ味』とだけ表記されている。それが驚きでした」
 
塩味
“塩味”という概念そのものが驚きだったのだとか!
「日本でいう“塩味”は、中国の場合『原味(げんあじ)』と呼ばれていて、塩味としてではなく、“ポテトチップスのもともとの味”として販売されているんです。中国では、塩は独立した“味”にはならず、ただの調味料の1つという認識。かつ、全ての料理は塩がないと成立しないので、わざわざ“塩味”だと言及することがないんです」

えっ、塩味という味があることそのものに驚いていたとは……! では、ポテトチップス以外の塩味にも衝撃を受けたのでしょうか? 例えば、塩ラーメンなど?

「塩ラーメンも、ちょっと理解できないんです(笑)。例えばとんこつラーメンだって、私にとってはすごくしょっぱいと感じる。たくさんの塩が使われているはずなのに、『とんこつ+塩』と表記されないのはどうしてなんだろう、と感じるんですよ」

ほかにも、驚きを受けた味はあるのでしょうか?

「もう1つ驚きだったのは、(ポテトチップスの)しょうゆ味。中国では、しょうゆも調味料の1つという認識です。中国にはおそらく“しょうゆ味”と呼ばれるものはないような気がします」

日本のポテトチップスの中でも人気が高い「カルビー」は、中国でも人気のブランドなのだそうです。ほかにも、好きなお菓子を聞いてみると、今度は甘いお菓子を教えてくれました。
王さん
つぶつぶいちごポッキーがお気に入り
「つぶつぶいちごポッキーです! いちごが好きなのですが、ポッキーの中にいちごの果肉が練り込まれていて、とってもおいしい! 中国にもポッキーはありますが、この果肉感が味わえるのは日本の商品だけです」

海外からも人気が高い日本食ですが、同じ味でも、呼び方や認識は国によって異なるようです。オウさんの「“塩味”があることに驚いた」という経験こそが、日本人にとってはまさに驚きですね!
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