(質問)
入社して2週間……精神的に苦痛で、もう辞めたいです。すぐに転職しちゃダメですか?
(回答)
在職期間が極端に短い転職は、どうしても不利になります。可能な限り現職を続けられないか模索してみましょう。もし転職する場合は、退職理由を正しく伝え、少しでも印象アップに努めることが大切です。また、次の職場では早期離職となることがないよう、求人内容を吟味し、面接でもしっかり確認しましょう。
詳しくは以下で解説します。
早期離職はネックになることも。まずは現職を続ける方法を模索して
早期離職は、企業にとってもあなたにとっても痛手となります。まずは現職を続けられないかどうかを模索してみましょう。とはいえ、ただ耐えるのはつらいと思うので、状況に応じて以下の対処法を実践してみてください。■条件に相違があった場合
労働条件通知書の内容と入社後の条件が異なる場合は、上司や人事に事実確認と説明を求めましょう。明らかに悪質な場合は違法となる場合があるので、異動や条件改善などを検討してもらう必要があります。
■スキル的に不安を感じている場合
思っていたより難易度が高い仕事だった、今までの経験が生かせなかったなど、転職先企業での仕事についていけないことに不安を感じている場合も、まず上司に相談してみましょう。中小企業の場合、中途採用時の研修が不足しており、社員の能力をうまく生かせていないケースがあります。上司に相談することで、仕事に慣れるまで先輩についてもらえたり、コミュニケーションの方法を配慮してもらえたりすることもあります。
■なんとなく居心地が悪い、思ってたのと違うと感じた場合
新しい環境は誰もがストレスを感じるものです。まずは業務を覚え、成果を出すことに集中しましょう。職場の雰囲気や仕事の進め方は会社ごと、場合によっては部署ごとでも千差万別。自分から歩み寄ることも大事です。最初は違和感があっても、仕事を通して周囲と関係性を築いていくことでクリアになっていく場合も。様子を見つつ、採用で関わっていた人事などへ相談したり、社内にキャリア相談窓口などがあれば、利用してみるのもおすすめです。
転職活動に踏み切る見極めタイミング
早期離職は採用側にとって懸念材料となります。ただし、明らかに悪質な職場だった場合やしばらく働いてみても軽減されない、各所に相談しても解決されない場合は転職を検討するのも1つの方法です。特に、職場でのストレスが体調不良などにつながっている場合、無理は禁物です。転職という選択肢で心が軽くなり、現職で働くことが苦にならなくなることもあります。また他社を検討することで改めて現職の魅力に気付くケースも。早期離職が不利だとしても、限界を迎える手前で検討してみましょう。
退職理由は隠さないで! 早期離職時の転職活動のコツ
何度もお伝えしているとおり、早期離職は転職活動時のネックになり得るので、もし転職することを決めた際は、少しでもマイナスイメージを払拭(ふっしょく)できるように面接時に理由を正しく伝えましょう。その際、早期離職を避けるために努力したことや自身の確認不足から起きたことという反省の意を示すこともとても大切です。また、可能であれば、現職を続けたまま転職活動を始めるのがおすすめです。なかなか転職先が決まらず離職期間が長引いてしまった場合、早期離職に長期ブランクという不利な条件が加わり、選考通過の難易度がさらに上がります。
一方で、現職と転職活動を併行しておこなうことで面接日程の調整が難しかったり、精神的に疲弊したりするデメリットも。メリット・デメリットを考慮したうえで転職活動を始めるのが大切です。
いずれの場合も、次の職場では早期離職となることがないよう、求人情報を吟味し、面接時に前回の退職理由になった部分を念入りに確認したりするように心がけてみてください。
この記事の筆者:小林 佳代子
新卒でキャリアデザインセンター入社。転職情報誌および転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年『女の転職type』編集長に就任。プライベートでは2児の子育て中。