『不適切にもほどがある!』最終話 ラストのテロップに全ての答えが!? 粋な演出に「唸った」の声続出

3月29日に放送されたドラマ『不適切にもほどがある!』最終話のストーリーをおさらいしつつ、SNSに寄せられた反響を振り返ります。(画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト)

阿部サダヲさんが主演するドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)が、3月29日放送の第10話で最終回を迎えました。ラストの粋な演出には、脚本家・宮藤官九郎さんへの称賛も殺到しています。最終話のストーリーをおさらいしつつ、SNSに寄せられた反響を振り返ります。


>前回(第9話)のあらすじはこちら

不適切にもほどがある!
画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト

最終話のあらすじ

市郎(阿部サダヲ)は昭和に戻る決心をして令和での身辺整理を開始。最後のタイムマシンバスは、ハラスメントで訴えられて休職し傷心の孫・渚(仲里依紗)のために使い、娘・純子(河合優実)に会わせようと考えます。昭和に着いた渚は、すっかりマジメになった受験生の純子と喫茶店「SCANDAL」で語らい、失われた母と娘のひと時を体感。純子の言葉に励まされ、キヨシ(坂元愛登)とともにタイムマシンで令和へと帰っていきいます。

一方、市郎は学校に復帰するも、令和での体験を経てアップデートされており、女装趣味がバレて退職に追いやられた校長や、歓迎会での若い女性教師に対するセクハラ、不登校生徒に対する教育方針など令和では“不適切”とされる対応に違和感を覚えます。“地獄のオガワ”を引退し“仏のオガワ”になると宣言。一方で、自分と純子に待ち受ける未来について打ち明けるべきか否か悩みます。

キヨシが置いていったスマホで令和のサカエ(吉田羊)と会話を続ける市郎。市郎からテレビ局のカウンセラーを引き継いだ社会学者のサカエもまた、昭和を知って考えにも変化が。各時代を知る2人は、昭和と令和、男と女、老いと若き、アップデートされた者とそうでない者、それぞれ「寛容になりましょう。大目に見ましょう」と受け入れ合うことが“肝要”なのだとミュージカル調で歌い上げます。

昭和と令和を移動する半年間で交流した人々の経験は、2024年に新たな未来への光を呼びます。昭和で不登校生徒だった佐高(令和版:成田昭次)は令和の世で成功しており、キヨシと再会。キヨシのために何でもしたいという彼に、キヨシは井上(三宅昌和)のタイムマシン研究への出資を依頼。

一方、昭和では市郎がSCANDALのトイレの穴から出てきた2054年の井上(小野武彦)と遭遇。佐高の出資により研究を続けタイムトンネルを発見したという井上。「さぁ、次の時代へ行きましょう!」と誘われた市郎は、穴をくぐるのでした。

不適切にもほどがある!
画像出典:TBS『不適切にもほどがある!』公式Webサイト

ラストのテロップに脱帽!クドカンの粋な演出が光る

あらゆる議論を突きつけながら徹底して家族愛を描いた本作。最終回では、どんな時代にも、どんな立場にも、どんな人物たちにもそれぞれの価値観があり、「寛容が肝要」と結論づけました。市郎がタイムトンネルをくぐったラストには「この作品は不適切なせりふが多く含まれますが 時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み 2024年当時の表現をあえて使用して放送しました」とテロップが表示され、その粋な演出にSNSでは称賛が殺到。

X(旧Twitter)ではトレンド1位に浮上し、「最後のテロップには唸った」「痺れた!そういうことか」「2054年に見たら2024年のこのドラマも不適切なんだよと」「令和の価値観すら過去になる。今私たちが生きてる価値観すら不適切になるんだぞという、時代と共に生きる私たちへのメッセージ」「いかに信じてる価値観が流動的なものなのかと」「最終回は、このドラマを昭和礼賛って言い続けてた人への答えだと思う。“こんな時代”なんてどこにもなくて、ただそこを生きる人がいるだけ」「30年後の再放送、楽しみだな」などのコメントが寄せられています。

最終話では、令和からこっそりタイムマシンバスに乗って戻り損ねた学生役として、主題歌を担当したCreepy Nutsの2人が出演。教頭となった市郎が卒業生にプレゼントした“未来の歌”として本作の主題歌『二度寝』を演奏し、昭和の中学生たちを熱狂させました。他にも、『メンズノンノ』時代の阿部寛さんが純子の部屋のポスターで登場したり、ミュージカルシーンの曲は昭和の名曲がオマージュされていたりと、懐かしさや新鮮さが感じられるギミックが満載だった本作。随所にちりばめられた小ネタを探しに、第1話から見直してみてもまた面白いかもしれませんね。

『不適切にもほどがある!』あらすじバックナンバー

第9話
第8話
第7話
第6話
第5話
 

この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。  

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