1日あたり「約2,340億円」の経済損失が?
これらの花粉症による労働力低下の平均時間と、国税庁が発表した民間給与実態統計調査や総務省統計局が発表した労働力調査を元に試算した、「花粉症による労働力低下の経済損失額2024」は、1日あたり「約2340億円」と推計されています。
花粉症でパフォーマンスが低下する理由は?
花粉症の主な症状や、パフォーマンス低下を引き起こすメカニズムについて、専門家が解説しています。耳鼻科医の坂田英明氏によれば、花粉症の主な症状は鼻水、鼻づまり、くしゃみが一般的とのこと。鼻づまりが持続すると口呼吸になりやすく、そこから頭痛や咬合、睡眠に影響が生じてしまうといいます。これらにより、日常的なパフォーマンスの低下も生じるとのことです。
また、医師で睡眠専門家の坪田聡氏によれば、花粉症の睡眠への悪影響が、負のスパイラルを引き起こすとのこと。花粉症で鼻が詰まると呼吸がしにくくなり、睡眠が浅くなってしまいます。睡眠の質が悪いと、十分な睡眠時間をとっていても日中の眠気が強くなります。さらに、睡眠の質が悪うと免疫がうまく働かず、免疫異常が起きてしまうことに。これにより、「花粉症→睡眠の質悪化→免疫異常の悪化→花粉症のさらなる悪化」という負のスパイラルが発生してしまうとのことです。
今すぐできる! 4つの花粉対策
日常生活のパフォーマンス低下を引き起こしてしまう花粉症。どのように対策すればよいのでしょうか。今すぐ実践できる4つの対策を紹介します。●外出先から花粉を持ち込まない
花粉の侵入経路として最も多いのは玄関だといいます。外から入ってきた人の衣類や髪に付着し、そのまま家の中に持ち込まれてしまうのです。玄関にハンディサイズのクリーナーや、ブラシなどを用意し、家の中に入る前に花粉を取り除くようにしましょう。また、ウールやフリースなどに比べ、化学繊維やレザーなどは花粉が付着しにくいとされています。洋服の選び方でも花粉対策ができるので、意識してみるのもいいかもしれません。
●洗濯物を外に干さない
花粉が洗濯物に付着するのを防ぐため、花粉が気になる季節は外干しをやめて部屋干しを行うようにしましょう。洗濯乾燥機、衣類乾燥除湿器といった家電を活用するほか、エアコンの衣類乾燥モードを使うのもおすすめです。
●換気は窓の開け幅を10センチ度にする
花粉のピーク期に行われた実験によれば、窓を開ける幅を10センチ程度にし、レースのカーテンをつけることで、屋内への花粉の流入をおよそ4分の1に減らすことができたといいます。
●こまめに床掃除をする
掃除機を使うと床にたまっていた花粉を舞い上げてしまう恐れがあります。先に水拭きをすることが大切です。また、乾いたときに花粉が飛散しないように、水拭きに使った雑巾はしっかりと洗うようにしましょう。
エアコンと空気清浄機の併用で集じん機能がアップ!
また、同社はエアコンと空気清浄機の2台使いも花粉対策としておすすめしています。エアコンの作り出す気流が空気清浄機の集じん機能をアシストするため、スムーズな花粉対策が行えるとのことです。季節によって変わる、最適な空気清浄機の配置を紹介します。●冬場の配置
●夏場の配置
花粉が悩ましい時期でも、エアコンや空気清浄機、前述のテクニックを使えば、室内での花粉悩みを少なくすることが可能です。できそうなものから試してみてもよいかもしれません。