ダイヤモンド・コンサルティングオフィスは、2023年4月に入社した会社員280人(男性130人、女性150人)を対象に、「ハラスメント」についてどう捉えているか、意識調査を実施。本記事ではその結果から、「セクハラ」に当てはまると感じるシチュエーションをランキング形式で紹介します。
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2位:上司から2人きりで食事に誘われた 39.3%
2位は、39.3%が回答した「上司から2人きりで食事に誘われた」でした。他者がいない空間という状況は、「逃げ場がない」と思うこともあってセクハラだと感じる人も少なくないでしょう。しかし、本調査の監修弁護士によると、これだけではセクハラに該当しないといいます。
男女雇用機会均等法に基づく、セクシュアルハラスメントの定義とは「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」を指します。
そのため「食事に誘う」だけでは、労働に関する不利益をこうむるわけではないので、セクハラに該当しません。ただし、食事を断ったことにより、その対価として上司の態度が変わって処遇が悪化したり、仕事をする上で何らかの不利益を与えられたりした場合は「対価型セクハラ」に該当します。
1位:体をじろじろと見られた 58.2%
1位は、58.2%が回答した「体をじろじろと見られた」でした。
異性でも同性でも、自分の体についてじろじろ見られるのは気持ちのいいものではありませんよね。「見るハラ」と言われることもあるこのような場合でも、同調査の監修弁護士によるとこれだけでは「セクハラ」には該当しないといいます。先ほどと同様、「見る」だけでは労働に対する不利益にはつながりません。
ただし、そのような言動を受けて就業環境が不快なものになり、出勤するのが苦痛になったり、仕事に集中できないなど、働く上で看過できないほどの支障が生じた場合、「環境型セクハラ」に該当します。
職場のセクハラは受けた本人がどう感じたかが重視されますが、それが一概にセクハラとなるわけではありません。また、今回の意識調査では、自分がハラスメント被害に遭った場合のとるべき対応についての項目もありましたが、70%近くが「全く知らない」「あまり知らない」と回答しています。
自分が被害者や加害者にならないよう注意するのはもちろんのこと、より良い職場環境のために正しい知識をいれておくと良いかもしれません。